2009 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚創傷を美しく治癒させる看護ケアのための動物を用いた基礎的研究
Project/Area Number |
19592433
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中谷 壽男 Kanazawa University, 保健学系, 教授 (60198124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
紺家 千津子 金沢大学, 保健学系, 准教授 (20303282)
大桑 麻由美 金沢大学, 保健学系, 准教授 (30303291)
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Keywords | 皮膚創傷治癒過程 / マウス / リンパ管新生 / 浸出液 / リンパ管新生阻害 / エストロゲン / イソフラボン / 更年期障害 |
Research Abstract |
1.マウス皮膚創傷治癒過程におけるリンパ管新生と浸出液との関係に関しての論文が、Impact factor 2.152のWound Repair and Regeneration(2009)に掲載された。 2.1.の成果をもとに、皮膚創傷治癒過程でリンパ管新生阻害をMAZ51という阻害剤を皮下に毎日注射して行った。この薬剤は完全にリンパ管新生を阻害できないことがあったが、創傷治癒が遅れた創傷組織にはリンパ管新生がみられないことがあり、リンパ管新生阻害によって創傷治癒は遅延する可能性が明らかになった。修士論文となり、2010年の日本褥瘡学会に発表する。 3.女性ホルモン(エストロゲン)の創傷治癒過程における効果を検討した。8週令という若いマウスの卵巣を摘出し、皮膚創傷治癒を作製し、エストロゲンを皮膚に塗布して創傷治癒過程が促進されるかを検討した。エストロゲン欠如は創傷治癒過程が遅延するといわれているが、必ずしも遅延しないことが明らかになった。エストロゲンの持続皮膚投与では、治癒が数日早くなったので、エストロゲンには創傷治癒過程促進効果があることが、明らかになり、更年期女性の創傷治癒に適切な方法でのエストロゲン投与が効果ある可能性が示唆された。修士論文となり、日本褥瘡学会で発表する。 4.3.と同時に、エストロゲン作用のあるイソフラボンの創傷治癒過程の効果を検討した。人で摂取上限になる量のイソフラボンをマウスの飼料に混ぜて、皮膚創傷治癒過程が促進されるかを検討したが、明確な促進効果はみられなかった。単にイソフラボンを摂取すればいいというものではないことが明らかになった。看護研究として発表した。 5.このような成果をすぐには看護ケアには生かしにくいが、リンパ管やエストロゲンの重要性が認識されて、考える看護に役立つと思われる。
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