2008 Fiscal Year Annual Research Report
癒し技法としての「手あて」を用いたリラクセーションに関する研究
Project/Area Number |
19592437
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
近藤 浩子 Gunma Prefectural College of Health Sciences, 看護学部, 准教授 (40234950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 美千代 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 助手 (80389783)
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Keywords | 癒し / タッチ / 指先皮膚温 / 心拍変動 |
Research Abstract |
【目的】本研究は,癒し技法としてのタッチの効果を科学的に評価し,その結果から効果的なタッチの技法を開発することを目的としている。今回はタッチ実施時の条件として,「集中タッチ」と「タッチ+撹乱刺激」の2条件を設定し,タッチ施行者の集中の有無がタッチの効果に影響を与えるかどうかを検討した。【研究方法】研究の趣旨に同意した20歳代の健康な男女16名に,タッチ施行者と受け手を交互にペアで行ってもらった。タッチは研究者の誘導によって行った。タッチ施行者はタッチ受け者の上背部に柔らかく手をあて,相手の呼吸を感じ取りながら手に意識を集中するようにした。実験手順は(1)安静5分,(2)集中タッチ5分,(3)タッチ+撹乱刺激5分,(4)安静5分とした。なお被験者のうち半数は(2)と(3)の順序を入れ替えて行った。タッチの評価は,生理的データとして指先皮膚温と心拍を持続的に測定し,また心理的データとしてPOMSを(2)〜(4)の後で測定して行った。【結果】各条件における指先皮膚温を比較すると,タッチ施行者では「集中タッチ」の場合の指先皮膚温の平均値が「タッチ+撹乱刺激」の場合と比べて有意(p<.01)な高値を示した。また「集中タッチ」の場合においては指先皮膚温の上昇がみられていた。他方タッチ受け者では,両者の差はわずかだった。同様に心拍変動を比較すると,タッチ施行者では「集中タッチ」の場合のHFが「タッチ+撹乱刺激」の場合と比べて有意(p<.05)に高値であった。タッチ受け者では「集中タッチ」のHFが高かったが,「タッチ+撹乱刺激」の場合と比べて,その差は有意でなかった。以上の結果については,本年度の看護系学会で詳細に報告する予定である。
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