2009 Fiscal Year Annual Research Report
癒し技法としての「手あて」を用いたリラクセーションに関する研究
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19592437
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
近藤 浩子 Chiba University, 大学院・看護学研究科, 准教授 (40234950)
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Keywords | 癒し / タッチ / 指先皮膚温 / 心拍変動 |
Research Abstract |
【目的】本研究の目的は,リラクセーション効果をもたらすタッチ技法を開発することであった。今回は集中力を高める音楽を聞きながらタッチを行うことによって、タッチ施行者に生じる反応を検討した。【研究方法】被験者は20歳代の健康な女子学生10名で、無作為に2人組になりタッチ施行者とタッチ受け者を交互に行った。倫理的配慮:研究目的と内容を説明し自由意志で研究に参加してもらった。タッチの方法:タッチ施行者は、研究者の誘導に従って、タッチ受け者の呼吸を感じ取ってから上背部に柔らかく手をあて、手の感覚に意識を集中させた。実験手順:5分間の安静の後,(1)「音楽を聴きながら行うタッチ」を5分,(2)「音楽のないタッチ」を5分行った。音楽はモーツアルトを使用し、タッチ施行者にヘッドホーンで聴いてもらった。効果測定:タッチ施行者の心拍と指先温度を持続的に測定し、また終了時にタッチ施行中の感じを自由記載してもらった。データ解析:心拍は高周波成分(HF)と低周波成分(LF/HF)を求めた。HF, LF/HF,指先温度は個別に平均値を求めた。これらを「音楽を聴きながら行うタッチ」と「音楽のないタッチ」で比較し,ウィルコクソン符号付き順位和検定で検討した。【結果】HF値は10人中6人が「音楽を聴きながら行うタッチ」の方が「音楽のないタッチ」より高かったが、有意差はなかった。LF/HFと指先温度には差がなかった。自由記載では5人の被験者が、音楽を聴いた方がリラックスしたが、手に意識を集中する感覚は弱かったと報告していた。【考察】HF値が高いこと、指先温度が高いことはリラックスした状態にあることを示す。今回の研究では、音楽がリラックスを促進した可能性はあるが、それがタッチへの集中を高めるには至らなかった。その理由として、ヘッドホーンを使用したため、手の感覚よりも音楽への集中が高まったのではないかと考えられた。
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Research Products
(2 results)