2008 Fiscal Year Annual Research Report
手術部位感染を引き起こす要因と看護ケアとの関係に関する研究
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19592442
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
西尾 奈緒美 Saitama Prefectural University, 保健医療福祉学部, 講師 (20437445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 弘美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50143920)
片岡 陳正 神戸大学, 医学部, 准教授 (80071398)
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Keywords | SSIサーベランス / 創傷管理 / スキンケア / 創傷被覆材 / 消化器外科 |
Research Abstract |
平成20年度のおける研究の目的は新規調査施設の開拓を行い、プロスペクティブに調査の実施を行うこと、平成19年度に調査したデータを振り返りSSSIの発生要因と看護ケアとの関連性について分析することの二点であった。1つ目の目的である新規調査施設の開拓については、調査の承諾を得ることが可能となり、平成21年度からの調査開始が決定となった。調査開始期間の間、研究協力者へのオリエンテーションおよび、医療機器の取り扱い方についてのデモンストレーションを実施することで、研究内容を深めることが行えた。 2つ目の目的であるSSSIの発生要因と看護ケアとの関連性については、10症例から得られたデータをもとにA群(ポリウレタンフィルムドレッシング群)とB群(ハイドロコロイドドレッシング群)に分類し、統計的手法および帰納的記述的手法をもちい、分析を行った。その結果、創傷被覆材間にSSSI発生の有意差は認められなかったが、SSSI発生の因子には、排液を吸収する能力が高く、静菌作用を有する創傷被覆材よりも、排液を吸収する能力はほとんどなく、静菌作用を有しない創傷被覆材のほうが、SSSIの発生数が多かったことから、創傷被覆材内における細菌数の増加ではなく、皮膚へ付着する排液の性状にあると推察された。さらに、消化器外科手術後の創傷に対する看護ケアについては、創傷被覆材貼付48時間後、A群では細菌を除去することを目的としたケアの実施を、B群では、湿潤環境を整えるスキンケアの実施が重要であることの示唆を得ることができた。
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