2009 Fiscal Year Annual Research Report
手術部位感染を引き起こす要因と看護ケアとの関係に関する研究
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19592442
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
西尾 奈緒美 Saitama Prefectural University, 保健医療福祉学部, 講師 (20437445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真田 弘美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50143920)
片岡 陳止 神戸大学, 医学部, 准教授 (80071398)
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Keywords | SSIサーベランス / 創傷管理 / スキンケア / 創傷被覆材 / 消化器外科 |
Research Abstract |
平成21年度における研究の目的は、新規調査施設でのプロスペクティブな調査の実施および、まとめであった。平成21年5月に埼玉県立大学および、調査実施施設での倫理審査を終了し、4ヶ月間の調査を行った。その結果、昨年度に引き続き、加えて31症例のデータから得られた内容より分析を深めることが可能となった。研究の目的および方法は昨年同様とし、統計的手法および、帰納的記述的手法をもちい分析を行った。今回、研究期間の限界より今回の調査ではハイドロコロイドドレッシングとポリウレタンフィルムではSSI発生が少なく、差は確認できなかった。しかし、ハイドロコロイドドレッシングでは血塊ができやすく、細菌発生の素地となっている可能性が示唆された。また、看護ケアとの関係については、手術後創傷部位に対し、A群:ハイドロコロイドドレッシングでは皮膚の水分量を整え、かつCNSなどの常在菌と緑膿菌などの一過性の菌を排除するスキンケアの介入が、B群:ポリウレタンフィルムドレッシングでは緑膿菌などの一過性の菌を排除するスキンケアの介入が重要であることの示唆を得ることができた。 今回この研究を実施したことで、創傷被覆材貼付部位における皮膚生理機能の実態を明らかにし、手術部位における看護ケアの方向性を見出すことが可能となったことは、看護師本来のケアの在り方を見直すといった意味、さらには消化器外科手術の感染率を減少さるという効果において大変意義のあるものとなったと考える。
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