Research Abstract |
本年度は,以下2点を目的とし,以下のとおり実施した。 (1)看護職が実践している感染予防対策における重要項目に関し,教育方法と実践内容を明らかにする。 (2)推奨されるガイドラインの試作として,主要項目と実践方法を抽出する。 1.調査実施 調査対象:感染予防対策に積極的である医療機関で,調査に協力の得られる小規模施設 調査方法:自記式質問紙を,対象の看護部門に依頼し,配付後,留め置き法にて回収 2.結果及び今後の予定 最終解析対象は,53名(回収率75.7%)であった。看護職は,今までの職場で手洗いに関する教育を複数回以上受け,半数以上が講義・演習・手洗い試験による教育を受けていた。一方で,受けたことがないとする者も,10%程度存在した。手袋の着用については,全患者にするべきとした者が多かった項目は,注射薬や経管栄養剤などを取り扱う時・採血時・創処置を行う時・排便・排尿に関わる時であった。また,血液や体液で汚染された際,物品に使用する消毒薬は,適切な知識を持っていたが,手指や皮膚に使用する消毒剤は,偏った知識であることがわかった。 以上のことから,推奨されるガイドラインの試作として,現在実践されている感染予防対策が持続されるよう,継続的に教育を実施すること,手洗い・手袋の着用・速乾性すり込み式手指消毒剤の適切な使用を推進すること,看護職が重要と認識しているスタンダードプレコーションの実践内容(特に消毒剤の適切な使用)については,講義により知識の確認をする,という必要性が明らかとなった。 今後は,モデル施設を対象に,感染予防に関する継続的な教育・推進活動の実施を行い,感染予防対策に関する認識が向上するよう,さらに検討を進めていきたい。
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