2008 Fiscal Year Annual Research Report
日本における看護職によるスタンダードプレコーションの実践の普及に関する介入研究
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19592444
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
藤田 比左子 Nara Medical University, 医学部, 教授 (80315572)
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Keywords | スタンダードプレコーション / 院内研修 / 院内感染 |
Research Abstract |
1.研究の目的 (1)感染予防対策における重要項目に関し,教育・推進活動を試行し,介入の効果を評価する (2)スタンダードプレコーションに基づく感染予防対策の普及に向けた教育・推進の可能性について検討することにより,ガイドラインを改良する 2.研究の具体的内容 (1)調査対象:感染予防対策に積極的である医療機関で,調査に協力の得られる小規模施設の看護師 (2)調査方法:平成19年度の研究の結果より得られたガイドラインに基づく介入の実施と,測定用具による手洗いの効果判定・手洗い方法の観察と自記式質問紙の配付・回収(留め置き法) (3)結果:介入対象は,介入前32名,介入直後13名,介入9カ月後18名であった。看護職は,全員,過去において入職時には手洗いに関する教育を受けていたが,その後の教育を複数回以上受けた者は半数程度であった。介入直後の意識調査では,すりこみ式手指消毒液の効果があると考える者は30%であったが,手袋装着の場面については血液・体液の付着時は全患者に使用するとほぼ全員が回答した。CDCによる手洗いに関するガイドラインでは,適切な手洗い時間は30秒以上とされるが,本研究の対象者の介入9カ月後においては,約60%の看護師が30秒以上かけ,ふき取り検査においても75%以上が適切な洗浄ができていた。手指消毒液の効果があると考える者は,50%であった。 3.本研究の意義 感染予防対策においては,具体的な実践内容について視覚的な教材を取り入れた研修を行うことが意識向上に効果的であり,定期的な研修の実施が継続的な実践行動となる可能性が示唆された。
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