2008 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄損傷者への医療チーム協働による褥瘡予防プログラムの構築
Project/Area Number |
19592457
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
坂本 雅代 Kochi University, 教育研究部医療学系, 教授 (80290360)
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Keywords | 脊髄損傷者 / 褥瘡 / 褥瘡予防 / 医療者 / 褥瘡予防プログラム |
Research Abstract |
1.研究目的及び意義 目的は、19年度に医療者から得た褥瘡予防への実践や指導のデータをもとに、褥瘡予防プログラム案として作成し、その評価を得てプログラムとして構築することである。褥瘡予防プログラムを構築することは、脊髄損傷者の自己管理に必要な知識や技術を医療者間で共有し、より効果的な医療や看護に資することになると考える。 2.研究成果 褥瘡予防プログラムの構築の手順は、19年度の実態調査をもとに作成したプログラム(案)を、脊髄損傷者の褥瘡予防に関して豊かな知識や技術を有する学識経験者に提示し、内容とその妥当性について評価を得た。その評価結果を受け、褥瘡予防プログラムとして構築した研究成果を概括すると、急性期では脊髄損傷者の脊髄の安定性確保が優先であり、医師は全身管理を、看護師は褥瘡リスクを評価し圧迫除去や皮膚の湿潤防止を、療法士は運動機能維持を、栄養士は栄養状態を調整し、MSWは援助の必要性を把握していた。 訓練期では、車いす生活に移行し生活拡大に伴う摩擦や車いす生活での圧迫除去に向け看護師、療法士が方策を実践すると共に、自己管理に向けて必要な指導が実践されていた。 退院準備期では、生活の場における褥瘡危険因子を事前自宅訪問にて見極め予防策を講じるため、看護師療法士があたり、社会資源活用にMSWが介入をしていた。 褥瘡発症者には、メンバー共通実践指導として褥瘡発症原因を追究し、再発防止への予防意識づけや気持ちの支援、生活改善指導をご本人や家族・支援者に実施していた。 以上をもとに褥瘡予防プログラムとして構築された内容をもとめると、急性期では、医療者が全身状態と褥瘡予防にむけ主導的に援助し、訓練期では脊髄損傷者自ら管理ができるよう指導的な内容が増え、準備期では資源や環境調整への手立てがMSWを中心になされていた。発症者には、発症原因を追究し個別に応じた予防策がとれるよう、個を尊重した対応がなされていた。本プログラムは、脊髄損傷者の健康段階別に医療者の褥瘡予防への働きかけの内容を構築したものであり、効果的介入への指標となることを期待する。
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Research Products
(1 results)