2009 Fiscal Year Annual Research Report
小児病棟における感染性胃腸炎の院内感染予防ガイドラインの作成に関する研究
Project/Area Number |
19592458
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
秋原 志穂 Osaka City University, 大学院・看護学研究科, 教授 (30337042)
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Keywords | 感染性胃腸炎 / 院内感染 / 小児病棟 / 感染防止 / ロタウイルス / ノロウイルス |
Research Abstract |
平成20年度報告で分析途中であったサーベイランス調査の結果,H19年11月~平成20年3月のサーベイランス調査協力施設のうち,有効回答とみなした30施設を分析した。30施設の期間中の新規入院患者数に占める感染性胃腸炎の入院は11.5%で,原因としてはロタウイルス(RV)が最も多く33.6%であった。ノロウイルス(NV)は4.7%であったが,調査施設のうちルーティンでNV検査を行っている施設はなく,実際はもっと多いことが示唆された。感染性胃腸炎の医療関連感染があったのは11施設で全体の1/3を占めた。ロタウイルス集団感染2件,NV集団感染が1件みられ,小児病棟での感染性胃腸炎による医療関連感染の問題が示唆された。これらの調査では医療関連感染の有無と看護ケアや環境等との有意な関係はみられなかった。NV感染患者の実態を明らかにするために引き続きH21年度はNV検査を含むサーベイランスを2施設で平成21年12月~平成22年2月の3カ月間行った。検査をしていないため前回の調査ではNV感染の入院が0であった施設においてNV感染者の割合は感染性胃腸炎入院患者の40.0%であった。もう1施設においてもNVは37常9%と非常に高い割合であった。RV感染はそれぞれ20.0%,6.4%であり,小児の感染性胃腸炎の最も多い原因であるRV感染を2倍~6倍近く上回った。1施設においてNVの医療関連感染が発生し,その原因究明を行った結果,不適切なPPE,医療処置の可能性が高かった。これらの結果を踏まえ,感染管理担当者,専門家と小児病棟での看護ケアの見直しを行い,小児病棟で行う感染性胃腸炎対策をまとめているところである。
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Research Products
(1 results)