2010 Fiscal Year Annual Research Report
外来看護の質保証を支える先駆的な取り組みの抽出と構造化によるシステム開発
Project/Area Number |
19592465
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
井上 真奈美 (河口 真奈美) 山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (20285357)
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Keywords | 外来看護 / 看護の質 / 看護師の役割 / 外来治療 / 外来化学療法 / 外来放射線治療 |
Research Abstract |
DPC導入等に伴い在院日数が減少する中、早期退院により自宅療養を開始する患者が増えてきている。疾病構造においては、がんを含む慢性疾患が大きな割合を占め、外来における医療は、診断や治療継続の処方のみならず、治療の現場としての役割を担う場へと大きく変化しており、多くの医療機関においてはその対応に迫られている。 外来における治療やケアの質を保証していくためには、新たなる仕組み作りは不可欠であるが、本研究においては、看護管理者およびケアを担っている看護者を対象に、新規部署を立ち上げ実際に稼働するまでのプロセスと現存する課題を中心にインタビュー調査を行った。さらに、これらのインタビューデータの分析から、組織固有の課題の無ならず、外来のケアの質保証システム構築のために不可欠な共通要素を抽出することを試みた。 調査結果として、(1)現存のシステム立ち上げまでのプロセス(2)看護職の役割と能力発揮のためのしくみと課題(3)組織構築にかける看護管理者の思い等が明らかとなった。 これらの結果は、過去においては、個人が手探りで行った活動で組織運用が始まることで、単なる努力として終わっていた管理的に優れた活動について可視化することの試みであり、今後外来において医療充実をはかろうとする多くの組織が、取り組むべき組織課題や、解決すべき問題そして必要な準備について展望することを可能とするものである。また、実際に外来の抱える課題を解決していく際のガイドラインとなり得ると考える。
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