2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592466
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
岡田 ルリ子 Ehime Prefectural University of Health Science, 保健科学部, 講師 (00233354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 なみじ 愛媛県立医療技術大学, 助教 (90310896)
和田 由香里 愛媛県立医療技術大学, 助手 (80433390)
昆 和典 愛媛県立医療技術大学, 教授 (40093926)
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Keywords | 角層水分量 / 皮膚血流量 / 水分蒸散量 / 皮膚表面温度 / 温浴 / 温熱刺激 |
Research Abstract |
本研究の目的は、温浴による熱刺激が、浸水していない皮膚部分の角層水分量の増加をもたらすことを、皮下血流量増加との関係から生理学的に明らかにすることである。(実験1)健康な成人女性20名を対象に、室温24±2℃、湿度40〜60%に調整した環境で、温浴に適温とされる42℃に制御された恒温槽での温浴を10分間、片側手部に行い、温浴直前から温浴後30分間の皮膚表面温度(皮下血流量の指標):深部温モニターコアテンプ(CTM205)、角層水分量:コルネオメーター(CM825)、水分蒸散量:テヴァメーター(TM300)の測定を対側前腕部で行った。結果、温浴の熱刺激で皮膚表面温度が増加し、同時に水分蒸散量、角層水分量も増加した。温浴終了により水分蒸散量は減少に転じたが残る2者は30分間一定の高値レベルを保持した。(実験2)健康な成人女性7名を対象に、血流量計(LFG-1-W)を併用し、対側の手掌部を測定し、他は実験1に準じた。血流と水分蒸散量は温浴開始とともに増加し、終了後は減少傾向に転じた。皮膚温と角層水分量は実験1と同様、30分後まで高値レベルを維持した。以上より、皮膚血流量の変化に同期する水分蒸散量の変化と異なり、皮膚温ならびに角層水分量は、皮膚血流が減少に転じても増加したことは、皮膚温は血流量の増加に伴い上昇するが、皮膚表面の空気層の断熱効果により、一定時間は熱が蓄積されることを示した。一方、角層水分量も皮膚温と同様の変化であったことから、皮膚血流量の増加が角層水分量増加をもたらし、一定時間その水分が維持されることを示唆した。つまり、温熱刺激により皮膚血流量が増加し、角層への水分供給が行われ、皮膚表面からの蒸散が増加するものと考えられた。また、皮膚血流量が減少してもなお角層水分量が高値を保持したのは、水分蒸散量の低迷と、角質層で増加した水分の一部が、そのまま角層に保持されるためと考えられた。よって、温熱刺激による皮膚血流量の増加は皮膚角層を保湿する、ことを示唆した。
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Research Products
(2 results)