2008 Fiscal Year Annual Research Report
乳児の寝床内気候に関する研究ー季節差と性能の異なる寝具の検討
Project/Area Number |
19592476
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
池田 理恵 Kawasaki University of Medical Welfare, 医療福祉学部, 准教授 (70249051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 喜代子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (70104809)
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Keywords | 寝床内気候 / 乳児 / 育児指導 |
Research Abstract |
本研究は、乳児の寝床内気候に関して、次の3点を明らかにすることを目的とする。 1) 乳児の寝床内気候の季節による差を明らかにする。 2) 母親の寝床内気候を同時に測定し、同じ環境下で、成人との違いを明らかにする。 3) ウエーブ状の敷き布団やハニカム構造のシーツ、防水シーツなど特別な機能を持つ寝具を選定し、その使用の有無による寝床内気候への影響を明らかにする。 以上3点の目的のうち、平成19年度は、主として1番目の乳児の寝床内気候の季節による差についてデータ収集を行い、20年度に分析を行った。 2番目の目的である母親の寝床内気候の測定は1例のみに留まっており、21年度は3番目の目的である特別な機能を持つシーツと平行して対象にとって可能なデータを収集する予定である。 これまでのデータを分析した結果、次のことが確認された。 1) 寝具の種類は掛け物に比べ、敷物に関して非常に個人差が大きかった。敷物を何枚も重ねていることが多く、そのことが寝床内温度を上昇させる可能性が示唆された。 2) 児が誕生前に準備したものと実際に使用している寝具に違いがある人が19名中8名であった。 3) 夏に防水シーツを用いると寝床内湿度が80%以上と高くなっていた。 4) 夏にベビーベッド、すのこ、綿わたの敷き布団を用いることで寝床内湿度を抑える可能性が示唆された。また、寝ござに関しても湿度を下げる可能性がある。 5) 夏にジュニア布団を用いることは寝床内温度や湿度を高める可能性が考えられた。 以上のことから養育者が乳児の寝床環境を整えるさいに防水シーツの使い方、乳児用・成人用・ジュニア用の寝具の用い方、敷布団の組み合わせ等に関して情報提供をすることができるといえる。寝床内気候を整えることは乳児の快適性のみならず、暖めすぎがSIDSの要因のひとつともいわれているので、安全性にも寄与すると考える。
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Research Products
(2 results)