2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん化学療法看護における専門的看護チームアプローチの組織行動的解明
Project/Area Number |
19592484
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩田 浩子 University of Fukui, 医学部, 教授 (20300171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯見 智恵 福井大学, 医学部, 講師 (40334841)
酒井 明子 福井大学, 医学部, 教授 (30303366)
月田 佳寿美 福井大学, 医学部, 講師 (50303368)
麻生 佳愛 福井大学, 医学部, 助教 (80362036)
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Keywords | がん看護専門職 / 化学療法看護 / 看護チームアプローチ / 組織行動 |
Research Abstract |
本年度目的:調査結果を総合的に分析し、情報交換の知見、研究協力者との意見交換を持ちにがん看護における認定看護師、専門看護師の組織上の位置づけ、看護チームとしての活動の類型化を図り、特に化学療法における専門的実践、役割と責任、意思決定過程等から組織化のモデルを検討する。 4月~9月:全国調査結果のデータ分析と研究協力者との意見交換を加えての検討 がん看護専門職73人を分析(回答率25.3%)。専門的実践では直接ケアの比率が高く、コンサルテーションや他職種とのコーディネーションは全活動時間の10~12%であった。所属内のケア活動に主体があり、副師長や師長の役割を担う(63%)、専門的活動時間の保証がない(27%)等の関与が示唆された。また、活動のアウトカムを検証、研究的な活動時間の確保は十分とは言えない。化学療法看護の特性では部署の関与が強く、マンパワーも少ないことからチームアプローチは部署内に限定される傾向が示唆された。看護部長等31人の分析(36.5%)では、がん看護専門職の採用の権限を持っているが採用時に役割等の話し合いはない。がん看護専門職への期待は大きく、職務規程等の明文化もされている。全体として院内教育の統括的役割を担わせ、コンサルテーション活動も担当しているが、さらに専門性のみを高めていくことにやや疑問を持ち7:1要員としてのマンパワーへの影響も課題となっていることが示唆された。認定領域の違いによるより効果的な活用は今後の課題であると推察された。 10月~1月:インタビューデータと量的データとの総合的検討 調査データは対象数が少なく一般化には課題が多かった。認定看護師と専門看護師との役割期待の違いや組織内の活動の違いにより組織行動の分類をした。現在の実践エフォートと実践への満足度等のデータから、組織横断的活動は組織全体および専門職の職務意識両者にとって重要な位置づけとなると推測された。がん専門病院と一般病院では専門職の人数格差があり、ケアニーズも異なることから十分な類型化までは困難であった。 2月~3月成果:の学会発表とがんセンター看護管理者等との意見交換 日本がん看護学会で発表、さらにがんセンター管理者と意見交換し認定看護師・専門看護師の活用の課題、人数の課題、7:1体制の中での横断的活動の制約等について情報を得た。
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Research Products
(1 results)