2008 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患患者のセルフマネジメント力を高めるための介入方法に関する研究
Project/Area Number |
19592491
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
森本 美智子 Tottori University, 医学部, 准教授 (50335593)
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Keywords | 看護学 / 臨床 / 慢性閉塞性肺疾患(呼吸器疾患) / 急性増悪 / 自己効力感 / 心理的状態 |
Research Abstract |
平成20年度の研究は,慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者に対して,(1)ベースライン調査を行うとともに,1年後のフォローアップ調査を行い,縦断的に研究をすすめること,(2)得られたベースラインデータから増悪を起こした者(過去1年間の増悪のエピソードのある者)の病気の捉え方,息切れの対応に対する自信(課題特異性自己効力感),療養行動,対処法(方略)等の特徴を検討することを目的として実施した。 過去1年間に増悪による入院のエピソードのある者は16%(8名),増悪で外来受診治療のエピソードのある者は21.6%(11名)であった。この増悪の発生率は,増悪を予防あるいは減少するための方策の検討が,COPD患者に対して重要かつ早急に取り組まなくてはならない課題であることを裏付けるものであった。また在宅酸素を使用している者は入院のエピソードのある者のうち62.5%,外来受診治療のエピソードのある者のうち42.5%であり,重症度の高い者が増悪を起こすとは言えない現状が示された。分析の結果では,過去1年間のエピソードの有無によって,息切れの対応に対する自信(課題特異性自己効力感),療養行動,対処方略に統計学的な有意差は認められなかった。しかし,増悪のエピソードのある者は,エピソードのない者よりも病気の影響性の得点が高く(p<0.01),増悪のエピソードのある者は病気が生活や人生に強く影響を及ぼしてきたと認識していた。また増悪のエピソードのある者は,抑うつ傾向・抑うつ状態(HADS-Depression8-10,11-21点)に分類される者の割合が多くなっていた(p<0.05)。この結果は,過去1年間に増悪を起こしている者は,病気の影響度を高く認識しており,心理的状態は悪化している傾向にあることを示唆するものであった。
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Research Products
(2 results)