2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592507
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
平井 和恵 Yokohama City University, 医学部, 准教授 (10290058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 清子 群馬大学, 医学部, 教授 (40134291)
高階 淳子 秋田大学, 医学, 助教 (70436187)
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Keywords | 倦怠感 / がん / 尺度開発 |
Research Abstract |
本研究は、がん患者の倦怠感を測定するための尺度(HCFS: Hirai Cancer Fatigue Scale)を作成し、その信頼性・妥当性を検証することを目的とする。 21年度は、入院または通院中の20-70歳代のがん患者322名からのデータ収集を終え、有効回答の得られた281名を分析対象として分析を行った。 因子分析の結果、12項目2因子が抽出され、これをHCFS-12とした。2因子に対する固有値は1.403以上であり、varianceの56.63%を説明する2因子構造であった。第1因子は、身体が重い・身体が思うように動かないなどの身体的な感覚、気分が重いなどめ精神的な感覚、何となくすっきりしない、横になっていたいなど身体を介して精神的にも知覚される感覚を含むことから【身体・精神的感覚】と命名した。第II因子は、思考力・記銘力・集中力が欠如した感覚を示すことから【認知的感覚】と命名した。尺度全体に対するChronbach's α=0.941,再テスト法r=0.843(p<0.01)より、高い信頼性を確認した。また基準関連妥当性として、CFSおよびPOMS-Fとの高い相関(各々r=0.789、 r=0.808. p<0.01)を確認した。さらにCFSの平均値+1SD以上群および平均値-1SD未満群に分類し、HCFS-12の合計得点を比較した結果、平均+1SD以上群(n=20)のHCFS-12合計点は38.7点であり、平均-1SD未満群(n=17)の17.4点より有意に高く(p<0.001) HCFS-12の弁別妥当性が確認された。 以上、本尺度の開発によりがん患者の倦怠感に対する簡便な多次元評価が可能となり、今後、本領域におけるエビデンス創出を促進することが期待される。
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Research Products
(2 results)