2008 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ターミナルケアに携わる看護師のユーモア志向と危機的場面の対処行動に関する研究
Project/Area Number |
19592523
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
田中 愛子 Yamaguchi Prefectural University, 看護栄養学部, 教授 (10285447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市村 孝雄 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (80144468)
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Keywords | 訪問看護師 / ユーモア / 危機的場面 / 質問紙調査 |
Research Abstract |
A市で勤務する在宅ターミナルケアに携わる看護師を対象に、ターミナルケア時の事例を振り返り、過去の危機的場面での対応力10項目とその乗り越え方と支援的ユーモア志向8項目について質問調査を行った。有効回答数は35入であり、看護師の経験年数は18.5年、訪問看護師としての経験年数は6.1年であった。危機的場面の対処方法について最も得点が高かったのは「自分自身の抱えている問題を、同僚や上司に相談する」であった。困難を感じている場面は人間関係においては「医師と患者や家族の間で板挟みになる状況」であり、症状コントロールでは「患者の耐え難い倦怠感への対処」であり、「痛みのコントロール」よりも対処が困難であった。在宅ターミナルケアに携わる訪問看護師の能力については、「患者や家族の気持ちを汲み取ること」「心や体の痛みに寄り添うこと」「聴くちから」等が共通に記述されていた。支援的ユーモア尺度と危機的場面の対応力には、相関性は認められなかった。危機的場面は、ユーモア志向の有無にかかわらず、多くの看護師が聴く力や対象の気持ちを汲み取る力を重視して、コニュニケーションをとりながら対象に介入しようとしていることが示唆された。また、在宅ターミナルケアでやりがいを感じている看護師と、どちらとも言えないと答えた看護師の危機的場面の対処能力の平均値の比較をしたところ、2群間に差が見られなかった。この結果は、看護の実態および本研究仮説と照合して検討してみると、危機的場面の対応力に差が出にくい尺度であることを示唆しており、危機的場面の質問項目に課題が残された。
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