2008 Fiscal Year Annual Research Report
帝王切開術後の日本人女性の出産様式選択:自己決定支援のためのプログラム開発
Project/Area Number |
19592526
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Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
鳥越 郁代 Fukuoka Prefectural University, 看護学部, 准教授 (30217591)
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Keywords | 帝王切開分娩 / 出産選択 / 意思決定 / 決定援助 |
Research Abstract |
本研究の目的は、帝王切開分娩を経験した女性のための出産選択における決定援助プログラムの開発とその効果の検証を行うことである。本年度は、本研究の海外共同研究者を招聘し、シンポジウム「帝王切開分娩を経験した女性のための出産選択の支援」を開催(H20.6.8)した。シンポジウムを通して、帝王切開分娩を経験した女性の次子の出産選択に対する現状とニーズについての認識を深めるとともに、帝王切開分娩を経験した女性の出産選択における意思決定支援の重要性が確認された。 また決定援助プログラム介入効果の検証を行うために、帝王切開分娩を経験し、現在妊娠している女性18名に決定援助プログラムを用いた介入研究を実施した。介入効果のアウトカムは、決定に関する葛藤尺度(Decisional Conflict Scale:DCS)と知識スコアで測定した。決定援助プログラムは、有意に出産選択に関する知識を向上させ(知識スコア12.44→13.28,p=.009)、帝王切開分娩後の女性の出産選択における葛藤を減少させる(DCS2.50→2.12,p=.005)という結果を得た。また女性のインタビューの質的データ分析から、助産師が女性の思いを傾聴しながら、女性の意思決定を支援していく重要性が示唆された。今後さらに詳細な分析を進めながら、医師と連携した意思決定支援モデルを構築するための戦略について検討を重ねていくことが必要とされる。
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