2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592530
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
野川 道子 Health Sciences University of Hokkaido, 看護福祉学部, 教授 (00265092)
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Keywords | 不確かさ / 尺度 / 病気 / 透析患者 |
Research Abstract |
目的:本研究で開発した26項目4下位尺度からなる「病気の不確かさ尺度(成人用)の妥当性を検証するため、外来の血液透析患者に対する質問紙調査を実施した。方法:調査期間は平成21年8月~9月、対象者はA市内の5施設の外来血液透析患者223名。調査内容は、基本属性、透析歴、QOL;日本語版McGill Quality of Life Questionnaire(身体的側面・心理的側面・実存的側面・サポートの4因子)質問紙は留め置き法で回収した。 結果:有効回答は182名(81.6%)。対象者の年齢構成は20~40代13.7%、50代31.3%、60代33.0%、70代以上22.0%であった。性別は男性59.3%、女性40.7%、透析歴は3年未満23.1%、3年以上76.9%であった。原疾患は糖尿病性腎症18.7%、慢性腎疾患51.1%、その他29.2%であった。透析患者全体の不確かさ平均得点は75.40±SD22.89であり、6下位尺度では「生活予測」「闘病力」に関する不確かさが高いという特徴があった。年齢構成、性別による平均得点に差はなかったが、透析歴3年未満の群82.83±SD24.71と3年以上の群73.08±SD21.98とでは差があり、特に3年未満の群では「病気の性質」「情報解釈」に関する不確かさが有意に高かった(p<.01)。QOLの心理的側面の得点と不確かさ尺度との関係について、Spearmanの順位相関係数を算出した。その結果、心理的側面と不確かさ尺度の総得点(ρ=-.49),下位尺度「病気回復」(p=-.43),「生活予測」(ρ=-.48),「闘病力」(p=-.49)で中程度の負の相関があった,実存的側面の得点と不確かさ尺度の総得点とは弱い負の相関(ρ=-.37)があった。考察:透析歴3年未満の群では、透析治療に対する不安や透析と社会生活の両立を図る上で生じる様々な困難に起因する不確かさが高い為、不確かさの内容を患者と共に評価し、介入のポイントを検討することが必要である。一方、透析歴3年以上の群では、この先一生涯続く透析生活を思案することで生じる、生活全般や自らの闘病力に対する不確かさが高い為、慢性的に続く不確かさの中で、彼らが自分らしく生きるために何ができるかという視点を持った支援が重要である。
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Research Products
(1 results)