2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592530
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
野川 道子 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (00265092)
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Keywords | 不確かさ / 尺度 / 病気 / 心筋梗塞 / 2型糖尿病 |
Research Abstract |
目的:本研究で開発した26項目6下位尺度(【生活予測】【情報解釈】【病気の性質】【病気の回復】【病気の意味】【闘病力】)からなる「病気の不確かさ尺度(成人用)の信頼性・妥当性検証のため,心筋梗塞後患者126名と2型糖尿病患者176名の調査データを分析した. 結果1:心筋梗塞後患者の平均年齢は69.10±SD9.26歳,男性111名(88.1%),不確かさ尺度総得点平均58.67±SD21.24と,様々な病気を対象とした535名(平成20年度研究実績報告書)の総得点平均75.91±SD22.78より有意に低かったが,下位尺度【闘病力】のみが有意に高かった.尺度全項目のChronbachのαは0.91,下位尺度では【病気の意味】が0.68であったが,他5下位尺度は0.76~0.88の範囲であった.また,Kolmogorov-Smirnov検定で不確かさ尺度総得点の正規性が確認された.不確かさ総得点とSF36の8下位尺度では,Pearsonの相関係数がr=-0.22~-0.37(p<.01)と全てで負の相関が認められた. 結果2:2型糖尿病患者の平均年齢61.90±SD10.57歳男性100名(56.8%)であった.不確かさ尺度総得点平均73.86±SD22.48と,上述の535名の総得点と有意差がなく,下位尺度【生活予測】の不確かさのみが有意に低かった.不確かさ尺度全項目のChronbachのαは0.94,6下位尺度では0.79~0.88であり,正規性も確保された.なお,不確かさ総得点と慢性疾患患患者の健康行動に対するセルエフィカシー尺度総得点及び2下位尺度の相関はr=-0.21~0.34(p<.01)と全てで負の相関が認められた. 考察:心筋梗塞後の患者では不確かさ総得点が様々な患者を対象とした調査結果より17ポイント低いという結果であったが,【闘病力】の不確かさが高いという特徴を有していた。一方,2型糖尿病患者では,平均的な不確かさ得点を有していた.なお,病気の不確かさ尺度(成人用)不確かさ尺度は,それぞれの患者集団の特徴を反映,測定できるともに,内部一貫性,正規性,および関連尺度との併存的妥当性が確保された.
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Research Products
(2 results)