2009 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの親・同胞との死別による喪失体験と支援のあり方の検討
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19592531
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Research Institution | Tenshi College |
Principal Investigator |
茎津 智子 Tenshi College, 看護栄養学部, 教授 (10177975)
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Keywords | 子ども / 生・死 / 親 / 死別体験 |
Research Abstract |
死別体験をもつ子どもを持つ親(21名)と死別体験はない子どもの親(11名)それぞれを対象に実施したグループインタビューの結果分析を行った。 1. 死別体験のない子どもを持つ親の生・死の意識の分析結果では、6カテゴリーを抽出した。(1)子どもを取り巻く環境への不安や心配、(2)子どもの態度・反応に対する信頼と危惧、(3)親の子どもへの関わり方に対する迷い、手探り、(4)学校・社会への不満と期待、(5)子どもに伝えたい思い・考え・価値、(6)親を取り巻く環境への戸惑いである。以上、子どもにとって好ましいとばかりいえない環境の中で、親も社会の影響を受けながら子どもに伝えるべきことを模索し向き合う親の姿が明らかになった。 2. 死別体験のある子どもを持つ親の生・死の問題に対する意識では、(1)死者をいたわること、子どもなりに死後の世界を抱いていること、(2)死別体験により子どもが死や命に対する理解を高めていること、(3)死別体験後、子どもの行動や思いに変化がある、(4)自分が喪失による悲しみや余裕のなさから子どもの思いに気づけなかった申し訳なさ、(5)自分の喪失体験と子どもの示す反応との比較、(6)日々の生活の中で親と子が共有し生や死について語りあうことの大切さ、(7)ゲームなどによる死の扱い方への子どもへの影響を危惧、(8)親同士で子どもに生や死を伝えることを語りあうことの難しさの8カテゴリーが抽出された。これらから死別体験をした子どもをもつ親は、子どもと死について話す機会を持っことの大切さを感じるとともに、子供を取り巻く環境からの影響を危惧していた。 子どものグリーフケアに関する社会的な関心を高めるために、アメリカでのダギセンターでの研修を企画した。分析結果は学術集会において2回の発表を行った。
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Research Products
(4 results)