2009 Fiscal Year Annual Research Report
臨床看護師による術後せん妄のラベリンプロセスに関する研究
Project/Area Number |
19592537
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
大木 友美 Showa University, 保健医療学部, 准教授 (60383551)
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Keywords | 看護学 / 周手術期看護 / 術後せん妄 / 看護判断 |
Research Abstract |
平成21年度は、臨床看護師における術後せん妄のラベリングプロセスについての課題を明らかにするために実施した調査結果を分析し、まとめた。 対象)外科病棟に勤務する対象候補看護師190名のうち、せん妄患者の看護経験を有する155名を対象とした。方法は、自記式の質問紙調査であり、実施前に倫理委員会の承諾を得た。結果)術後せん妄看護の経験件数は、11例以上の者が51.3%を占めていた。せん妄を予測する術前因子として重視されていたのは、「高齢であること」(66.9%)が最も多く、次が「落ち着きが無い」(41.8%)、「不安が強い」(39.2%)であったが、せん妄を予知する際の根拠として重視されていたのは、「チューブ類を自己抜去する」(70.1%)、「術前と表情が異なる」(61.4%)が多かった。また、せん妄をアセスメントする際に重視している事項は、「異常な行動」(74.7%)が最も多く、次が「表情」(64.7%)であった。なお、アセスメントする際にアセスメントツールを用いている者は11.8%であり、そのうちの42.9%がツールの使用が「容易である」、直観力がなくとも術後せん妄の判断は可能であるとしていた。自分にせん妄を判断・確信する直感があると認識している者は85.2%であり、その直感で、せん妄を判断できるという者は62.6%、確信できるという者は29.0%であった。アセスメントを繰り返して最終的にせん妄であると判断するのに、アセスメントツールを使用せずに判断する際の根拠は、「疎通や表情、行動の(術前からの)変化」が最も多く、次に、「他の看護師や医師の判断」を拠り所としていた。自分ひとりでせん妄を判断・確信できるという者はそれぞれ30.3%、20.6%であった。
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