2007 Fiscal Year Annual Research Report
生後14日間における母乳育児支援のための哺乳行動アセスメントツールの開発
Project/Area Number |
19592540
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
永森 久美子 St. Luke's College of Nursing, 看護学部, 助教 (60289965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 成子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (70157056)
井村 真澄 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (30407621)
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Keywords | 母乳育児支援 / 哺乳行動アセスメントツール / 尺度開発 |
Research Abstract |
研究成果:効果的な母乳育児支援を導くため、乳汁産生や哺乳行動の生理に基づき作成された哺乳行動アセスメントツール(以下、BBAツール)を作成し、研究参加に了承を得た107組の母児を対象に、入院中連目と退院後1週間後に授乳観察を行い、分析結果から信頼性と妥当性が確保された。主な結果は以下の4点である。1.BBAツールは、7項目「児が口を大きくあける」「口を開けた際、舌が中央に位置している」「児の下顎が乳房に接している」「吸畷中頬が膨らんでいる」「吸畷中舌が固定されている」「嚥下音を聴診器で確認」「授乳していない乳房から乳汁がもれる」「非栄養吸啜と栄養吸啜の二相の吸啜パターンが確認できる」で構成された。また、構成概念妥当性は、共分散構造分析を用い、「生得的な哺乳行動」「獲得していく哺乳行動」の2つの概念にて、適合度が基準値を達するモデルとなり、妥当性が確保できた。2.BBAツールは、既存ツールのLATCHと中程度の相関を認め、併存妥当性は確認された。また、一日哺乳量、授乳回数では正の相関、人工乳補足回数では負の相関を認め、5日目のBBAツールの得点が高いと退院時と一ケ月健診時の母乳育児率が有意に高く、10%以上体重減少率する児が有意に少ないことから予測妥当性も確認された。3.カッパ係数による3名の評価者間一致率は0.72〜0.76、クロンバックのα係数は3、5、14日目でそれぞれ0.68、0.78、0.85と基準値を超え、内的整合性は確保されていた。4.BBAツールのカットオフ値は、ROC曲線より28点満点中、3日目で19点、5日目24点、14日目で27点とした。 成果の意義:BBAツールの信頼性と妥当性の検討と共に、BBAツールによる観察期間中の生後1ケ月時の母乳育児率は79%(2005年厚労省調査で42.4%)と上昇し、焦点化された一貫した観察の効果を認めることができた。また、カットオフ値を設定したことで、退院後の継続ケアなど、必要のある母児に対する重点的な支援へと導くことができる。
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