2008 Fiscal Year Annual Research Report
生後14日間における母乳育児支援のための哺乳行動アセスメントツールの開発
Project/Area Number |
19592540
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
永森 久美子 St. Luke's College of Nursing, 看護学部, 助教 (60289965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 成子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (70157056)
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Keywords | 母乳育児 / 母乳育児支援 / 哺乳行動 / アセスメントツール / 哺乳行動アセスメント / ROC曲線 |
Research Abstract |
母乳育児において適切な支援を行うため、乳汁産生や新生児の哺乳行動の解剖・生理を踏まえて母乳育児をアセスメントするためのツール(哺乳行動アセスメントツール:以下BBAツール)を開発した。哺乳行動や乳汁産生の生理に基づき作成した全7項目、「児が口を大きくあける」「口を開けた際、舌が中央に位置している」「児の下顎が乳房に接している」「吸啜中頬が膨らんでいる」「吸啜中舌が固定されている」「嚥下音を聴診器で確認」「授乳していない乳房から乳汁がもれる」「非栄養吸啜と栄養吸啜の二相の吸啜パターンが確認できる」を4段階リッカート尺度にて採点する。このツールについて以下の4点について検討した。(1)BBAツールの構成概念妥当性について、共分散構造分析を用いて確認したところ、適合度が基準値を達するモデルとなり、妥当性が確保できた。(2)BBAツールは、既存ツールのLATCHとは中程度の相関を認め、併存妥当性は確認された。また、一日哺乳量、授乳回数では正の相関、人工乳補足回数では負の相関を認め、母乳育児継続率について、5日目のBBAツールの得点が高いと、退院時と一ヶ月健診時の母乳育児率が有意に高く、10%以上体重減少率する児が有意に少なかった。これらのことから予測妥当性も確認された。(3)カッパ係数による3名の評価者間一致率は、0.72〜0.76であり、クロンバックのα係数は3、5、14日目でそれぞれ0.68、0.78、0.85と基準値を超え、内的整合性は確保されていた。(4)BBAツールのカットオフ値は、ROC曲線より28点満点中、3日目で18点、5、14日目で23点とした。 このBBAツールは母児の生理的側面に限局された必要最低限の観察項目で構成され、簡便でかつ、一貫性のある、科学的根拠に基づいたアセスメントを導き出し、効果的な支援へとつなげられると考えた。また、カットオフ値を設定することで、BBAツールは母児への継続支援の必要性の判断基準として用いることができると考えた。
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