2009 Fiscal Year Annual Research Report
不妊治療中夫婦のリプロダクティブ・ヘルスケア-夫婦支援のための看護介入の検討-
Project/Area Number |
19592541
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
渡邊 実香 Chubu University, 生命健康科学部, 准教授 (70345908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横手 直美 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 准教授 (10434573)
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Keywords | 不妊夫婦 / 不妊男性 / 看護支援 |
Research Abstract |
不妊治療を継続中の夫婦において、心身社会面への負担は女性のみならず男性においても生じている。夫婦双方へのサポートの必要性が論じられているが、不妊治療中の男性の経験は明確になっていない。インタビューにより明らかになった不妊男性の経験は1.配偶者へのいたわりの思い、2.間接的に治療を支える役割意識、3.将来にむけての検討、4.治療への期待と不安、5.社会とのかかわり方、という大きく4つの要素が示唆された。また、男性は「配偶者へのいたわりの思い」を強く抱いているものの、その思いを配偶者へ言語化される機会が少ないこと、また、夫婦の将来設計などへの関心も強く、純粋に治療に没頭することは少ない、もしくは心理的に抑制している傾向が見られた。不妊治療を担う女性において、男性の思いが直接的に受けられないことや治療へ没頭しない男性の姿勢は、治療を継続する上で夫婦の関係性へ否定的な影響を与える要素として看護者が認知すべき点であることが示された。また、不妊治療施設で実施されている患者支援の現状を把握することを目的とし、不妊に関連した心理専門職者の在籍と支援の実態を郵送法アンケート調査にて実施した(実施登録施設594施設)。有効回答は115施設(19.3%)、心理専門職者在籍施設数は、不妊カウンセラー58施設(50.4%)、体外受精コーディネータ-55施設(47.8%)、臨床心理士19施設(16.5%)。心理専門職者の在籍状況は、医療法人がその他の設置主体の施設より多い傾向がみられた。初診時個別面接の実施施設は82施設(71.3%)、治療中希望個別面接は71施設(61.7%)であり、いずれも看護師が担当する割合が最も多かった。本調査から心理専門職者の設置割合は十分とはいえない現状が明らかとなった。患者が心理支援を受ける機会増加の為には、看護師の専門的教育を普及することが必要になると推測される。
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Research Products
(3 results)