2008 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌手術後患者の食事摂取量を自律調整するための看護介入システム
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19592542
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Research Institution | The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing |
Principal Investigator |
中島 佳緒里 The Japanese Red Cross Toyota College of Nursing, 看護学部, 准教授 (90251074)
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Keywords | 胃癌手術後 / 食行動 / セルフマネジメント / 看護介入システム |
Research Abstract |
胃癌手術後に在宅に移行した患者や職場復帰した患者が,重後の消化管環境に適した食行動の獲得のために,試行錯誤を繰り返している姿は,多くの先行研究で報告されており,長期的な看護介入の必要性が叫ばれている.このような状況の中,我々は,胃癌手術後患者が残胃の回復状態を評価し,最大限の摂取量を自律することを学習するためのサインマネジメントプログラムを開発した.本研究は,開発したサインマネジメントプログラムを病棟および外来までの看護介入システムとして導入し,入院期間におけるアウトカム,および体重回復,QOL向上の効果を明らかにすることを目的とした.平成20年度は,プログラムを病棟看護に組み込むための基礎資料として,該当病院施設における胃癌手術後患者の抱える問題や問題解決の方略などの調査および問題分析を行なった.その結果,次のことが明らかになった.(1)手術後3ヶ月経過後の食事に関する自己調整状況は,適切な食事回数でないと判断される患者が14名(26.3%)存在した.そのうち術前体重比が90%以下の患者は,幽門側胃切除術では2名,胃全摘術患者では5名であった.さらに,胃全摘術の患者は術前体重比の平均値が86.5±4.9%と深刻な状況であった.(2)半数以上の患者が何らかの術後愁訴を抱えていた.術式別では幽門側胃切除に比べ全摘術は愁訴が多い傾向を示した.(3)退院後の患者は,食事に関する相談の希望が高く,新たな食品へのチャレンジや次へのステップアップへの支援を求めていることが窺えた.(4)自己効力感の平均点は,先行研究(塚本1998)と比較して幽門側胃切除術患者では差はなかったが,胃全摘術の患者は日常生活行動および感情統制行動のどちらとも低かった.他要因との関連から術後愁訴,1回摂取量比,理想体重と有意な相関関係が認められた.以上(1)から(4)までの結果から,具体的な術式別愁訴とその対処方法,食事回数の調整をするための判断基準の提示,さらには次の段階に移行するための支援体制を整える必要があることが示唆された.これらの内容からプログラムを再検討し,病棟看護に適応するためのパンフレットと患者指導手順を作成した.
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Research Products
(1 results)