Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 大輔 徳島大学, 歯学部, 教授 (70189801)
金崎 雅美 滋賀医科大学, 医学部, 研究員 (30402720)
佐名木 宏美 群馬大学, 医学部, 助教 (20434673)
仲前 美由紀 京都橘大学, 看護学部, 助手 (40434675)
岡 美智代 群馬大学, 医学部, 教授 (10312729)
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Research Abstract |
本研究は,透析患者に対して免疫力を損なわない個々の症状に適した口渇や口腔乾燥に対するケアを開発することを目標としている。 本年度は,質問調査と唾液中の口腔内液性生体防御成分の分析により透析患者の口渇の影響要因と特徴を明らかにすることを目標とした。透析患者の口渇の要因は複雑であり,それぞれの要因に適した口渇を緩和するケアの実施には,透析患者の口渇や対処方法の実態を知ることが必要と考え,調査を行った。Aクリニックにて昼間の血液透析を受け,本研究に同意の得られた患者40名を対象とし,有効回答の得られた30名を対象とした。男性16名(平均年齢70.3±7.1歳),女性14名(平均年齢63.5±10.9歳)。透析歴は,1ヶ月〜30年で,平均7.3±6.5年であった。質問紙は,日常生活に関すること,KDQOL^<TM>疾患特異的尺度の下位尺度(症状),口渇の部位,口渇時の対処方法などで構成した。(さらに,口腔内湿潤度,唾液量,体重増加率等について調査した。 口や喉の渇きを訴えていたのは17名(56.7%)であった。口渇を訴えない人との比較では,年齢,性別,原疾患,透析歴,湿潤度,唾液量に有意差はみられなかったが,水分や塩分の摂取に対する注意では,口渇を訴えない人の方が有意に高かった(p=0.038)。 今回の調査結果からは,血液透析患者の口渇に関する傾向を同定することはできなかった。 口渇に対しては,半数以上が飲水や氷片などの水分補給によって対処しており,水分摂取の指導や対処方法の開発の必要性が示唆された。
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