2008 Fiscal Year Annual Research Report
血液透析患者に対する口腔乾燥を緩和するケアに関する研究
Project/Area Number |
19592543
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Research Institution | Kyoto Tachibana University |
Principal Investigator |
道重 文子 Kyoto Tachibana University, 看護学部, 教授 (00274267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日野出 大輔 徳島大学, 歯学部, 教授 (70189801)
金崎 雅美 滋賀医科大学, 医学部, 研究員 (30402720)
佐名木 宏美 群馬大学, 医学部, 助教 (20434673)
仲前 美由紀 京都橘大学, 看護学部, 助手 (40434675)
岡 美智代 群馬大学, 医学部, 教授 (10312729)
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Keywords | 血液透析 / 口渇 / 唾液 / 免疫 / QOL |
Research Abstract |
本研究は,透析患者に対して免疫力を損なわない個々の症状に適した口渇や口腔乾燥に対するケアを開発することを目標としている。 本年度は,口腔ケアが唾液分泌の促進を促す効果があるのかを唾液量,粘稠度で検証した。対象者は,A大学看護学部1回生35名であった。平均年齢は,19歳であった。日常生活援助技術演習「口腔ケア」時に,口腔乾燥の自覚症状に対する調査と唾液検査をおこなった。唾液検査は,ワッテ法(舌下にロール上にした綿を30秒間挟み採取)で採取後,採取容器を遠心分離機(4000回転)にかけ唾液を採取した。唾液湿潤度は唾液湿潤度検査紙(KISO-wet)を舌先端10mmの舌背部に垂直に10秒間保持し,唾液吸湿の長さを読み取った。粘稠度はネバメーター(石川製作所)を用い,ワッテ法で採取した唾液の糸引き度を計測した。口渇ありと時々あると回答した学生は21名(65.6%),口渇なしの学生は10名(31.2%),不明1名(3%)であった。口渇あり群と口渇なし群の唾液量,粘稠度,湿潤度に有意差はみられなかった。口腔ケア前後の唾液量は前0.23ml(SD0.300),後0.40ml(SD0.406)であり,有意差がみられた(r=0.706,p<.002)。粘稠度は前1.09mm(SD0.891),後1.43mm(SD0.792)であり,有意差がみられた(r=0.518,p<.029)。湿潤度は前2.83mm(SD2.83),後4.20mm(SD3.407)であり,有意差がみられた(r=0.462,p<.016)。 口腔ケアの刺激により,唾液量,粘稠度,湿潤度は明らかに増加した。唾液量の増加と共に粘稠度も増加した結果となった。これは,口腔ケアの刺激により粘液成分であるムチンなどの特定の蛋白の分泌が促進されたと推察された。
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Research Products
(3 results)