Research Abstract |
研究の目的は,外来血液透析患者の看護師との交流,自己効力感,家族サポートが抑うつを和らげ,自主管理行動を高め,患者の透析指標(除水率,血圧変動率,身体症状,合併症,)に影響を与えるという関係性を明らかにし,自己管理行動への指導がより具体的に効果的に実施できるための示唆を得ることを目的にしている。また,血液透析患者家族の負担感とその影響要因,サポートネットワーク,家族の精神的健康度,慢性疲労との関係を明らかにすることにより,サポート体制についても示唆を得ることである。 研究対象は血液透析専門施設へ外来通院中の患者とその家族396部配布し291部回収,回収率73.5%であった。 結果については,現在分析中であり,研究の成果を十分述べることはできないが,分析結果からは,自主管理行動に影響を与える要因は,年齢β=0.27,p<0.001),自己効力感β=0.67,P<0.001,専門家との交流β=0.40.p<0.001.家族サポートβ=0.41,p<0.001であった(重回帰分析)。また自主管理行動が透析指標に与える影響についても,身体症状=-0.25,p<0.001,合併症=-0.31,P<0.001,除水率=-0.221,p<0.003であった。 また,以上の影響要因と透析指標との関連性をパス解析より分析したところ,専門家との交流は,自己効力感との間に0.46(C.R.=6.95),自己効力感と自主管理行動との間に0.63(C.R.=9.81)自主管理行動と透析指標(身体症状,合併症,除水率)の間に有意な関連があった。まだ,一部のみの分析であることを申し添える。 家族の負担感等についても現在分析中のため20年度中には分析を終了し,血液透析患者の自主管理行動に与える影響とともに,学会報告,論文を作成したいと考えている。
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