2009 Fiscal Year Annual Research Report
ALS療養者の地域包括型緩和ケア提供のための看看連携方略と現任教育プログラム開発
Project/Area Number |
19592554
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
牛久保 美津子 Gunma University, 医学部, 教授 (90213412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 苗恵 群馬県立県民健康科学大学, 看護学部, 講師 (80272269)
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Keywords | ALS / 看看連携 / 継続ケア / 胃瘻(PEG) / 緩和ケア |
Research Abstract |
ALS療養者・家族がかかえるさまざまな苦痛や苦悩を緩和するための地域看護職者間の連携方略についての示唆を得るため、本年度は下記の研究活動を行った。 I.「看看連携における困難点や改善点に関する調査(療養経過の観点から)」 昨年、A病院に診断目的にて入院しALSの診断確定をうけた患者を対象に診断から死亡にいたるまでの療養経過について、退院支援ナースと訪問看護師を対象にした面接調査を実施した。現在までに死亡したケースは4例、現在も療養中は5例、不明(退院後は他院の外来受診)は1例であった。現在、調査続行および調査ずみ事例について分析中。 II.「筋萎縮性側索硬化症者の体験をもとにした胃瘻の病院から在宅への継続ケアのあり方(医療処置の観点から)」ALSは治療法がないため、緩和ケアを目的に対症療法が主流になる。いくつかの対症療法のうち、栄養の医療処置であるPEGについて、患者家族を対象にした面接調査を行った。退院後や交換に関するさまざまなトラブルが明らかになった。病院から在宅へと療養の場が変更しようとも、看護者は、ALSによる病状の悪化進行に伴う身体機能低下を観察・予測しつつ、院内外における多職種協働による胃瘻の適切な種類の選択や、病状に応じたセルフケア教育やサポートの提供といった継続ケアの課題が見出された。 III.昨年度に実施した訪問看護師および保健師への質問票調査のうち、療養者・家族に対する困難点と関係職種との関わりに関する困難点についての質的データの再分析を行った。療養者と家族に関しては、どうにもならない壁にぶちあたり、それに無力さを感じていることが明らかになった。また関係職種との関わりにおける困難点は、相互のコミュニケーション不足により生じているものがあった。これの対策と看護職者をエンパワメントするための教育が必要と考えられた。
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Research Products
(7 results)