2010 Fiscal Year Annual Research Report
ALS療養者の地域包括型緩和ケア提供のための看看連携方略と現任教育プログラム開発
Project/Area Number |
19592554
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
牛久保 美津子 群馬大学, 医学部, 教授 (90213412)
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Keywords | ALS / 神経難病 / 看看連携 / 緩和ケア |
Research Abstract |
最終年度にあたる本年度は、これまでの調査結果をまとめ、ALS療養者の地域包括型緩和ケア提供のための看看連携方略と現任教育に必要な内容を抽出した。 1.看看連携の強化が必要、あるいは支援体制の見直しが必要である時期や状態(危機状態):(1)病状悪化が急速な時期(球麻痺タイプ)、(2)緊急時、あるいは終末期、(3)診断早期の心理的不安定な時期、(4)介護力が低い家族(老老介護など) 2.看看連携方略:(1)情報のすみやかな発信とタイムリラグがない情報共有のためには、病院の外来あるいは地域連携室、保健所、訪問看護、ケアマネジャなど、情報発信者からの情報がすべてに通じるための一斉メールやメーリングリストの活用が考えられる。 (2)専門病院の受診結果を地域看護職が把握し共有するためには、外来受診結果を病院から地域看護職に情報伝達する、ならびに地域看護職と専門医をつなぐ病院側の役割を担う神経内科看護の専門ナースの配置の必要性が考えられる。 (3)緊急時、あるいは終末期に病院搬送された場合の病院看護の充実化をはかるため方法をさぐる必要がある。定期的な病棟と外来・地域連携室間の情報伝達を効率よく行える方法を関係職種間で検討する必要がある。 3.現任教育に必要な要素: (1)患者・家族が必要なサービスを受け入れることが困難で、支援がままならない実状から、支援導入とともに、こころのケア、特に「難病とともに生きる苦悩」を緩和するための技術が求められる。 (2)難病とともに生きる苦悩を緩和しながら、同時に「死を前にした苦悩」を緩和できるよう、患者・家族への死の教育の導入や方法を学ぶ必要がある。
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Research Products
(9 results)