2008 Fiscal Year Annual Research Report
多職種が使用可能な高齢者虐待・ネグレクトの判断基準の作成に関する研究
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19592559
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
表 志津子 Kanazawa University, 保健学系, 准教授 (10320904)
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Keywords | 高齢者虐待 / 判断基準 / ネグレクト |
Research Abstract |
(1)判断基準素案の作成:平成20年度は、平成19年度に実施した調査結果に、さらに分析を加えた。ネグレクト項目抽出のための因子分析を、ネグレクト判断経験の有無別で実施したところ、判断経験なしの場合には因子が抽出されず回答の信頼性が問われた。そのため判断経験ありの123名の回答のみを用いて因子分析を行った。抽出された27項目に関して、内容が類似するもの、基準に使用するレベルのものを除外し、本人の状況10項目、介護状況8項目、計18項目に整理した。その後、項目ごとに下位の4段階の判断基準案を検討した。判断基準は、文献検索により得られたネグレクト項目に関する記述を、4段階のレベルに当てはめた。複数の記述があった基準は、軽度から重度に並べ研究者間で繰り返し検討した。また、ネグレクト事例担当経験のある専門職2名に、項目と判断基準について意見をもらい、修正を加えた。 (2)判断基準作成に関する文献レビュー:アセスメント、ネグレクトをキーワードにPubmed, Scopus,医中誌を検索した。判断に用いることの出来る具体的な記述がある文献は予想以上に少なく、海外の出版物も使用した。判断基準として使用可能な具体的なモデルはなかった。 (3)専門職による素案検討の準備:石川県内の虐待にかかわる介護支援専門員と福祉職2名に判断基準素案に関して意見を求め、4段階の内容を検討した。さらに、次年度の準備として平成19年度の調査対象である石川県、岐阜県の居宅、包括、訪看に対して基準案の検討協力依頼文を郵送し、約70名から参加協力の同意を得た。同時に、マニュアルがない状況等の現状を簡易版報告書として整理し郵送した。
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