2007 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の尊厳ある看取りを支援する在宅ケアマネジメントの実証的研究
Project/Area Number |
19592569
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中谷 久恵 Shimane University, 医学部, 教授 (90280130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 恵子 島根大学, 医学部, 助教 (50448205)
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Keywords | がん患者 / 看取り / 在宅ケアマネジメント / 在宅終末期ケア |
Research Abstract |
初年度計画に従い、ケアマネジャー20人に前向き調査を依頼してがんの終末期を在宅で過ごす事例を追跡する質的調査を行った。ケアマネジャーの内訳は看護職13人、福祉職が7人である。20事例のうち調査期間中にがんの終末期と診断され在宅療養を開始した利用者に調査を依頼し、承諾が得られた受け落ち事例は9事例であった。年齢は68歳から91歳までで平均が79.8歳である。このうちこれまでに在宅で亡くなられた事例が2人、入院1人で、他の6事例は在宅療養を継続している。9事例のケアマネジャーの職種は看護師が6人、社会福祉士が3人である。本人が告知を受けているのは9人中6人で、告知率は66.7%と高かった。告知された本人の特徴として、自宅を看取りの場と希望したのは4人、病院は2人であった。9人が利用した介護保険におけるサービスは訪問看護8人、福祉用具貸与・購入7人、訪問入浴4人、訪問介護3人、通所介護2人、訪問リハビリ1人の順であった。ケアマネジメントの結果として得られた特徴は、個別的課題は事例により異なり9事例に共通点は少ないが、入院時よりも自宅に戻って療養が開始されると心身共に一旦安定する時期があった。しかし徐々に病気が進行し、利用していたサービスが病状悪化のため使えなくなっていた。入院時の主治医と在宅でのかかりつけ医が異なる事例が多く、相互の意見と利用者間をつなぐコミュニケーションが難しく、ケアマネジャーが力量への不安を感じている傾向がうかがえた。
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