2009 Fiscal Year Annual Research Report
がん患者の尊厳ある看取りを支援する在宅ケアマネジメントの実証的研究
Project/Area Number |
19592569
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
中谷 久恵 Shimane University, 医学部, 教授 (90280130)
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Keywords | 終末期ケア / がん患者 / 看取り / 介護保険制度 / 介護支援専門員 / 訪間看護師 / 在宅ケアマネジメント |
Research Abstract |
平成19・20年度の質的調査で得たケアマネジメント業務の実践内容をもとに調査票を作成し、ケアマネジャーに業務の実践有無と重要度を尋ねる調査を行った。調査対象者は、A県A支部の全会員249人のケアマネジャーで、調査票は支部協会を通じて会員に配布し、研究への協力を承諾した145人が受理した。研究への同意は、返送により判断することを調査票に書き添え、回収は99人(回収率68.3%)からあった。年齢・資格の属性に欠損値があった1例を除き、98人を分析対象としたみ性別では女性87.8%で、業務は専任58.1%、常勤80.9%であった。資格は介護職43%、看護職36%、社会福祉士12%、その他7%であった。年齢は44.9歳、経験年数5.2年で、受持ち事例の平均は23.2人であった。がん事例を受け持った経験者は65.3%であり、平均事例数2.5人であった。資格別による特徴では、看護職は他職種よりも年齢とケアマネジャーとしての経験年数が高く、受持ち事例数は少ない傾向にあった(p〈.05)。しかし、業務体制は専任29.4%、兼務70.6%で、他職種よりも兼務が多かった(p<.001)。ケアマネジャーへの教育的要素として8割以上が肯定的に必要と回答した項目は、「スピリチュアルケアの知識・技術」95.9%、「非がんにはない医療的知識」91.8%、「デス・エデュケーション」83.8%の順であった。在宅ケアマネジメント業務20項目を、がんの受持経験の有無と看護職の有無で比較したところ、がん患者の受持有無による経験の差はなかったが、看護職は非看護職に比べてすべての実践度が高く、6項目においては差があった(p<.05)。重要度の認識では職種間の差はなかったが、重要と思いながらも実践するに至っていない業務の力量の弱さがうかがえた。 以上より、ケアマネジャーの教育研修にデスマネジメントを取り入れていく重要性や、職種間別によるがん患者の終末期専門研修の必要性が示唆された。
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