2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592570
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
國方 弘子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部・看護学科, 教授 (60336906)
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Keywords | 精神障害者 / 自尊感情 / 在宅生活 / 認知行動的護介入 |
Research Abstract |
本研究では、精神障害者の自尊感情回復モデルを構築し、自尊感情の回復をめざした臨床プログラムを開発することを目的とする。平成19~21年度に得たデータを根拠に、12回で構成する「自尊心回復グループ認知行動看護療法(以下、プログラム」を構築した。プログラムの実践可能性を確認するために、6名の研究参加者にプログラムを実践した。プログラム介入前後における自尊感情(RSES)、気分(POMS)、心の健康度と疲労度(SUBI)、精神症状(BPRS)の変化を量的に測定した結果、SUBIのうち心の疲労度合計点ならびに下位尺度である精神的なコントロール感、BPRSは全員が改善した。BPRSとSUBIの精神的なコントロール感は、介入後に有意に改善した。RSES平均値は介入後に改善したが、介入前に比べ有意差はなかった。また、「プログラムに参加して、自分はどのような体験をしたか」についてフォーカスグループインタビューを介入後に実施し、プログラムに参加して自分はどのような体験をしたと認識しているかについて語った個所を抽出し、カテゴリーの生成を行った。結果、6個のカテゴリーが生成できた。研究参加者は、プログラムに参加する中で自分と向き合う【苦しみ】を体験しながらも【グループ活動の有用性】に支えられながら、【自分に関する理解の促進】を得てメタ認知を強化することで、こだわりや緊張や症状を【手放す】とともに、肯定的な認識を【取り入れる】体験をした。さらに、認知行動看護療法の技法をプログラム史だけでなく【日常での活用】も体験していた。以上の研究結果から、開発したプログラムは実践的に使用可能であり、精神障害者の自尊心回復に役立つプログラムであると考えられた。今後、データを蓄積し、プログラムの有用性の検証が課題である。
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Research Products
(5 results)