2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポートフォリオを活用した行政保健師のキャリア開発に向けたアクションリサーチ
Project/Area Number |
19592571
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Research Institution | Ehime Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
田中 美延里 Ehime Prefectural University of Health Science, 保健科学部, 講師 (00264903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 美千江 愛媛県立医療技術大学, 教授 (50218369)
宮内 清子 愛媛県立医療技術大学, 学部長 (20239346)
金藤 亜希子 広島大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (80432722)
岡本 玲子 岡山大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (60269850)
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Keywords | 行政保健師 / ポートフォリオ / アクションリサーチ / キャリア開発 / 看護学 |
Research Abstract |
本研究は、アクションリサーチの手法を用いて、行政保健師のキャリア開発プログラムにおけるポートフォリオの活用可能性を検討することを目的とする。 平成20年度は、第二段階のアクションリサーチとして、平成19年度のアクションリサーチに参加した市町村所属の係長級以上の保健師(以下、保健師リーダーと表す)からアクションリサーチャーを募り、所属組織の後輩保健師にポートフォリオを活用したOJT(On the Job-Training)を企画実施したプロセスを記述し、その評価を試みた。具体的には、A市の保健師リーダー1名がアクションリサーチャーとなり、組織内のスタッフ保健師4名(保健師実務経験年数2〜7年)が研究に参加した。研究者は保健師リーダーとともに集合型研修3回を企画実施し、面接・電子メール等によるスタッフ保健師への個別支援を実施した。OJT企画実施過程で収集したデータは、スタッフ保健師のキャリア発達に関する基本的情報、集合型研修の録音・録画による逐語・観察記録、アクションシートやポートフォリオ等の活動記録、保健師リーダー・研究者による参加者の個別支援記録および研究者による保健師リーダーへのスーパーヴィジョン記録である。 これらのデータから保健師リーダー・研究者による参加者への働きかけと参加者に生じた変化に関する記述を取り出し、それぞれを個人別・時系列に布置し、意味内容の分析を進めた結果、保健師リーダーによる活動史ポートフォリオを用いた語りが、保健師としての活動理念・価値観の伝承を促し、長年日常業務の中での気づきを大切に自己研鑽してきた保健師リーダーの姿勢に触発されて、スタッフ保健師の日常業務の中での気づきから課題を絞ったポートフォリオ学習へと発展したことが示された。今後は特に中堅期保健師の経験知を職場内で共有・活用するために、活動史ポートフォリオと課題ポートフォリオを組み合わせたOJTモデル試案の作成が重要と考える。
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