Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 道久 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (30196050)
野中 美穂 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (60404927)
奥山 貴弘 埼玉県立大学, 短期大学部, 助教 (70412997)
小澤 芳子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (60320769)
田口 孝行 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (20305428)
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Research Abstract |
1.目的:本研究は,平成17・18年度の継続研究として位置づけ,若年認知症者および家族介護者の双方のQOLをめざした包括的な地域生活支援方法を縦断的な追跡により開発し,地域生活継続の可能性を探り,支援方法・プログラムの開発及び評価を行う. 2.方法:1)対象者:65歳未満の若年認知症者[以下,本人]9名および介護家族.2)本人の発達とストレングスを支持するアプローチで,本人と介護家族のセルフヘルプグループを形成し,相互交流の場として発展させ,個別の能力開発を目的としたアートセラピーを実践展開し,精神症状,行動,生活機能,情緒的反応,コミュニケーション能力等の改善について継続的に効果測定.3)定期的に家族カウンセリング及び家族のセルフヘルプグループの形成を目的に介護家族の会を行い,発症当時の混乱期とその後の介護プロセス,資源の活用と対処方法,必要とするケアやサービスについて明確化.4)実施期間:2007.6〜2008.2 3.結果・考察:継続的に実践展開しているアートセラピーの効果を本人とグループの変化の視点で検討した結果,本人の自発性と他者との交流は促進し,グループは「凝集」から「実行」に移行していた。これら本人のポジティブな変化とグループとしての発達は関連があると考えられ,アートセラピーは3年間の断続的実施であるが,本人の記憶等の低下はあるものの感性とグループの発達的変化から,地域生活支援の可能性が示唆された.本研究の今後の展開は,(1)行動観察に加え,身体活動,ストレス度の変化等多面的な効果の検証の実施,(2)アートセラピーをきっかけとした,本人や介護家族のセルフヘルプグループの形成・発展プロセスの分析・評価の継続,(3)本人と介護家族がアートセラピーを継続できる環境の充実と整備を図り,地域生活支援の相談機能や役割機能の構築と方法の拡充や政策の提言への寄与,である.
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