2008 Fiscal Year Annual Research Report
若年認知症者と介護家族の追跡による地域生活支援プログラムの開発と評価
Project/Area Number |
19592578
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
野川 とも江 Saitama Prefectural University, 保健医療福祉学部, 教授 (20104987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 道久 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (30196050)
野中 美穂 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (60404927)
田口 孝行 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (20305428)
石崎 順子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (60381430)
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Keywords | 若年認知症者 / 介護家族 / 地域生活支援 / アートセラピー / 初老期認知症者 / セルフヘルプグループ |
Research Abstract |
【目的】社会的に緊急的、優先的課題である若年認知症者(以下,本人)および家族介護者を長期的・縦断的な追跡により、包括的な地域生活支援方法及びプログラムを開発し、必要な施策を明らかにする. 【方法】1)対象者:65歳未満の本人10名および介護家族.2)方法:(1)若年認知症者の発達とストレングスモデルの実践的展開により、セルフヘルプグループを形成・発展させ、個別の能力開発を目的としたアートセラピープログラムを4年間継続的に実践し、認知機能(NMスケール)、ADL(N-ADLスケール)、QOL(AD-HRQL-J)、行動観察(感性記録)を用いて継続的に効果測定.(2)介護家族グループでは、フォーカス・グループインタビュー法を用いて、介護プロセス、資源の活用と対処方法、必要とするケアやサービスについて明確化し、相互交流を通して課題解決を図る.3)期間:2007.6〜2009.3 【結果】3年以上と長期に継続的参加している本人の認知機能・感性及びグループの変化の視点で検討した結果、(1)アートセラピーの長期継続による本人の認知機能の変化は病因(アルツハイマー病、ピック病、頭部外傷後遺症)による特性があることが示唆された.(2)感性は殆どが維持・向上しており、特に意欲・関心等の積極性・自発性の向上に一定の効果がある.(3)グループとしての発達的展開がみられ、4年前の開設年度終盤には、「凝集」(仲間意識)だったが、3年目当初から「実行」(協力と強調)に移行し、4年目も維持・発達(個別性の発揮と情緒的な独立)が認められた.(4)家族グループでは相互交流により個々の課題に対する相談・支援機能は向上し、適切な地域資源やサービスの活用・開発及び対処方法の習得ができ、地域生活支援効果が認められ、地域生活継続を可能にしていると考えられる.
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Research Products
(4 results)