2007 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルサポートによる喉頭摘出者の心理的適応とQOLへの影響に関する研究
Project/Area Number |
19592580
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
小竹 久実子 Saitama Prefectural University, 保健医療福祉学部, 講師 (90320639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴鴨 よしみ 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60362472)
甲斐 一郎 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30126023)
岩永 和代 福岡大学, 医学部, 講師 (40461537)
高橋 綾 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (70331345)
寺崎 明美 福岡大学, 医学部, 教授 (50163910)
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Keywords | ソーシャルサポート / 喉頭摘出者 / 心理的適応 / QOL / 失声障害 / 頭頸部周囲がん |
Research Abstract |
本研究は、術後の喉頭摘出者の心理的適応とQOLがサポートによって、どのように影響するのかを追跡調査を行って明らかにすることである。現段階において、喉頭摘出者患者会会員を対象として、心理的適応構造を明らかにするための調査を実施した。分析方法は、AMOS16.0を用いて、共分散構造分析を行った。結果、喉頭摘出者の心理的適応の構造を明らかにすることができた。心理的適応構造のモデルは、自分が行動主体である認識を高めることによって、障害受容を高められ、内面的な人間的価値を高められる可能性を示唆するものであった。また社会統合は障害の受容に影響していた。自分が何か行動を起こしていく必要性の認織を高めることによって、障害の受容が高められ、その時点で社会復帰できる可能性が示唆された。尚、術後経過年数・年齢・性別は、心理的適応構造に影響していなかった。このことは時間の経過以上に心理的適応構造の因果関係が強いことを示している。今後はこの構造が時間のプロセスを経てどのような構造モデルを示し、どの時点でサポートがあればよいかを明らかにする必要がある。 学会発表の内容は次の通りである。喉頭摘出者の心理的適応と術後経過年数の差異を明らかにすることを目的として、共分散分析後、多重比較(Tukey-Kramer検定)を行って検討した。その結果、総合点では有意差はみられなかった。6下位尺度では、術後経過年数が浅い人が不安・うつが高く、失声障害者への態度は術後経過年数が経っている人のほうが厳しい態度であった。
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