2008 Fiscal Year Annual Research Report
精神病初発患者の医療への繋ぎアプローチの開発-学校現場および家族への方略-
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19592587
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
甘佐 京子 The University of Shiga Prefecture, 人間看護学部, 講師 (70331650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 勇人 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (70267871)
牧野 耕次 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (00342139)
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Keywords | 学校保健 / 精神疾患 / 思春期 / 早期介入 / 問題行動 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度に引き続き、精神疾患やメンタルヘルスについての学校現場での現状を明らかにすることを目的に調査を遂行した。今年度は、精神疾患を発症していたり、発症する可能性のある生徒に対する相談に乗る機会が最も多いと考えられる教員として養護教員を対象にインタビュー調査を実施した。対象は現在中学校に勤務している、または勤務した経験のある養護教員10名である。インタビューの内容は、中学校でみられる問題行動の状況や、その問題行動の背景に精神疾患があると予測されるケースについて、また、養護教諭として具体的にどのような介入をしているのか、介入が不十分と思われたときその要因は何か等についてであった。養護教諭の多くは、問題行動の背景に精神的な疾患がある場合、状態によってそのことを推測して関わっていた。気づきのきっかけとしては、目つき、他者に対する態度の違和感、行動(強迫的な行動や言動)などであった。介入については、担任を中心にチームを組んで介入する場合が多かったが、学校によっては担任や、養護教諭にのみ多くの比重がかかっているケースもあった。また、介入が十分にいかない場合は、保護者との連携が困難な場合で、早期に対処したくとも保護者の同意がないと困難であり経過が長期になったり悪化をきたすこともあった。さらに、教職員間の連携が十分に取れない場合、養護教諭が孤立してしまうケースもあり、保護者・教職員の連携の重要性が示唆された。また、保護者だけでなく、教職員にも精神疾患についての知識がほとんどないものもおり、その知識の無さが、早期介入を阻む一つの要因と考えられる。今後、養護教諭の聞き取りをさらに進めるとともに、抽出されたデータをもとに教職員・保護者に向けた早期介入のアプローチについても検討していくことが課題である。
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Research Products
(2 results)