2009 Fiscal Year Annual Research Report
精神病初発患者の医療への繋ぎアプローチの開発-学校現場および家族への方略-
Project/Area Number |
19592587
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
甘佐 京子 Kobe University, 保健学研究科, 准教授 (70331650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 美代子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (40418869)
藤本 浩一 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (20467666)
土田 幸子 三重大学, 医学部, 助教 (90362342)
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Keywords | 学校保健 / 精神疾患 / 思春期 / 問題行動 / 早期介入 |
Research Abstract |
H21年度は、昨年度に引き続き養護教論からインタビューした内容の分析に取り組んだ。分析した結果統合失調症の前駆症状と共通する行動は、「攻撃的な態度・暴言」「過度の自己アピール行動」「集中力の無さ」「落ち着きの無き」や、より病的な「強迫的行動」や「日つきの変化」「不可解な行動」等が見られていることが明らかになった。学校内でそういったケースに対応する上で問題になることは「保護者との関係」であり、「保護者の思い」を優先することで、対応自体が困難となる場合もあった。また、家族以外で対応を阻む要因としては、教科教員と連携、中でも「担任教員との関係」「担任教員の理解(知識)の無さ」や、担任教員中心の組織で、「養護教論に対する理解の不足」があり、養護教論が率先して対応していくことを困難にさせていた。これらの分析結果より、保護者および学校教員も精神疾患に対する知識か十分ではなく、生徒に対する対応に苦慮していることが明らかになり、生徒への啓発だけではなく、家族や教員に対しても同時に啓もう活動していくことの必要性が示唆された。また,H21年6月アイスランドで開催された家族看護学会に参加し、遺伝性疾患等子どもに障害が生じた場合それを家族が受容していく上での家族へのケア等の講演から、早期介入に向けて家族への介入方法等についての示唆を得ることができた。さらに、精神障害者とその家族により設立されたRitinkにイギリスで行われている早期介入の状況について視察のため訪問した。残念ながら、事前に約束を入れていたにもかかわらず急きょ代表者が多忙のため而会できない状況となった。そのため、スタッフより資料等をいただき、それをもとに、介入方法については検討中である。現在、家族会のご家族を対象に、アンケートを作成中であり、その結果も含め、H22年度には、実際の中学生に向けた啓発びログラムを作成していく予定である。
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Research Products
(1 results)