2010 Fiscal Year Annual Research Report
精神病初発患者の医療への繋ぎアプローチの開発-学校現場および家族への方略-
Project/Area Number |
19592587
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
甘佐 京子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (70331650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 美代子 日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (40418869)
土田 幸子 三重大学, 医学部, 助教 (90362342)
山下 真裕子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (40574611)
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Keywords | 学校保健 / 精神疾患 / 思春期 / 問題行動 / 早期介入 |
Research Abstract |
H22年度は、H19~21年度に収集したデータ(中学生の精神疾患に対する認識および中学校養護教諭が認識する精神疾患を疑われる生徒への対応の現状と課題)をもとに、中学生を対象にした精神疾患に対する知識や疾患予防啓発を、目的としたリーフレットの検討・作成に取り組んだ。 中学生は、1年生~3年生までの期間で、精神的・社会的な発達が著しい時期ではあるが、中学1年生が理解可能な内容・表現を用いることとした。事前調査でも、好発年齢に一致してくる、強迫性障害や統合失調症についての知識がほとんどないことが明らかになった。そこで、まず「こころの病気」とは、どういうものなのか。体の一部としての「こころ」であり、人間のすべてでもある「こころ」が病むとはどのような現象なのか。また、それらを治療することが可能であること、特別な治療法があるわけではなく、体を治療することと同じように、薬を使ったり、ゆっくり休養したりすることの意味を分かりやすく説明した。病気になることが大変ことなのではなく病気になったことに気づかれず(気づかずに)長期間治療を受けることができないことのほうが大変なことであることを、理解してもらうことを伝えるようにした。養護教諭の先生方との話し合いの中でも、「こころの病気」を、自分のこととして捉えずに、茶化したり、否定してしまったりする子ども達も少なくない。それは、子どもたちの中にある、偏見がそうさせていると考えられるため、精神疾患が、決して特別な病気ではないこと、誰にでも起こりうることであることを強調したうえで、だからこそ恐れることはなく、少しでも早く信頼できる大人に相談し、受診すれば良いことを伝えるようにした。これらの、現在リーフレットをもとに、45分での授業を検討中である。
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Research Products
(2 results)