2007 Fiscal Year Annual Research Report
情緒的involvement対人援助技術プログラム開発
Project/Area Number |
19592588
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
比嘉 勇人 The University of Shiga Prefecture, 人間看護学部, 教授 (70267871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 耕次 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (00342139)
甘佐 京子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 講師 (70331650)
松本 行弘 滋賀県立大学, 人間看護学部, 教授 (10363962)
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Keywords | 患者看護師関係 / かかわり / 対人援助 / ストレス / スピリチュアリティ |
Research Abstract |
看護師用over-involvement尺度(OIS)の開発を目的として看護師265名を対象に「OIS原案21項目」「臨床看護職者の仕事ストレッサー測定尺度(NJSS)33項目」「ワーク・コミットメントに関する尺度(WCS)32項目」を使い質問紙調査を実施した。over-involvementについては「看護師が消耗するほど感情を患者に向け、自分の延長線上に患者をみるため同一化過剰となり、患者の責任まで引き受けること」と定義した。222名の有効回答を用いて検討した結果、以下のことが明らかとなった。 1.項目分析および探索的因子分析(最尤法・プロマックス回転)後、3因子構造の12項目版OISが採択された(因子寄与率48.91%,因子間相関0.49〜0.67)。 2.各因子は、第1因子:仕事の責任の範囲以上に患者のことが気になる『気がかり』(4項目)、第2因子:受け持ち終了後にも残る患者への思いである『残心感』(5項目)、第3因子:患者の状態に対する過度の反応である『被影響性』(項目3)、と解釈された。 3.OISと理論的な関連性が考えられるNJSS、WCS(職務コミットメント)、WCS(職業コミットメント)との相関係数がr=0.45(p<0.01)、r=0.34(p<0.01)、r=0.30(p<0.01)を示し、OISの収束的妥当性が確認された。 4.OISと異なる構成内容と考えられるWCS(組織コミットメント)との相関係数がr=0.10(p>0.05)を示し、OISの弁別的妥当性が確認された。 5.OISの内的一貫性(Cronbachのα係数)については、12項目全体がα=0.87、『気がかり』『残心感』『被影響性』がα=0.77、α=0.73、α=0.81を示し、OISの信頼性が確認された。 以上より、OISは他標本を対象とした検討を残しているが、使用可能な尺度と判断された。
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