2009 Fiscal Year Annual Research Report
情緒的involvement対人援助プログラムの開発
Project/Area Number |
19592588
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
比嘉 勇人 The University of Shiga Prefecture, 人間看護学部, 教授 (70267871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 耕次 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助教 (00342139)
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Keywords | 患者看護師関係 / かかわり / 対人援助 / ストレス / スピリチュアリティ |
Research Abstract |
本研究は、牧野らが提示した看護師のかかわり(Involvement)要素である「経験の共有」「感情の投資」「絆の形成」「境界の調整」の4視点を基に作成した情緒的involvement対人援助プログラム(学習会および受持ち患者との関係不全体験についてのグループディスカッション:以下、ISP)の効果について、スピリチュアルな次元(「自分と自分自身」および「自分と自分以外の対象」とのつながり志向)から検討することを目的とした。 対象者はS病院に勤務する看護師ABCDの4名で、臨床経験はAとBが2年、Cが3年、Dが5年であった。看護師ABCDには、ISPの参加前と参加後に、事例の振り返り(自己解釈)および牧野らが開発した看護師版対患者over-involvement尺度(患者への巻き込まれ傾向を3因子で測定:以下、OI)と看護師版対患者under-involvement尺度(患者との心理的隔り傾向を3因子で測定:以下、UI)への回答を求めた。 その結果、ISP効果について以下の点が示された。 (1) 看護師ABCDにおいて「患者への被影響的つながり感(OI因子)」および「患者との固定的つながり感(UI因子)」の軽減効果が示唆された。 (2) 看護師ACDにおいて「患者への心気的つながり感(OI因子)」の軽減効果が示唆されたが、看護師BにはISP参加前後の変化が認められなかった。 (3) 看護師ABCにおいて「患者との不関与的つながり感(UI因子)」の軽減効果が示唆されたが、看護師DにはISP参加前後の変化が認められなかった。 (4) 「患者への残心的つながり感(OI因子)」および「患者との非自己開示的つながり感(UI因子)」については、一定の効果が認められなかった。 (5) 看護師ABCDの「事例の振り返り」の記述内容において、患者との関係不全体験(悲観的・自罰的体験)に対し中庸的な態度変化(理想的結果重視から、かかわり過程重視への転換)が認められた。
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Research Products
(1 results)