2007 Fiscal Year Annual Research Report
在宅認知症高齢者の介護家族に対する家族類型別高齢者虐待早期介入プログラム
Project/Area Number |
19592589
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
堀井 とよみ The University of Shiga Prefecture, 人間看護学部, 教授 (10405235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 厚子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (10324568)
玉水 果美 滋賀県立大学, 人間看護学部, 助手 (60378445)
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Keywords | 高齢者虐待 / プロトコル / ライセンス / 家族類型 |
Research Abstract |
初年度である今年度は、アンケートによる量的調査(質問紙調査)とオーストラリア及びアメリカ合衆国における高齢者虐待への取り組み状況について聞き取り調査を実施した。 アンケート調査は、滋賀県内の地域包括支援センター職員126名、居宅介護支援センター職員200名合計326名を対象に実施し、回収率は63.5%であった。 本調査は、高齢者虐待を有する家族を支援する場合に必要となる介入技術を明らかにし、効果的な介入プログラムを開発するための基礎資料の収集を目的に行った。調査項目は回答者の専門職としての技術的背景(職名・経験年数・研修歴等)、高齢者虐待への介入経験、介入時に必要な技術、高齢者虐待を起こすと考えられる介護家族状況、介入困難事例の介護家族状況等95項目について調査し、現在分析中である。この分析結果から家族を類型化し介入プログラムを作成する予定である。 高齢者虐待に関する先進国での聞き取り調査結果について、特記すべき点について列挙する。オーストラリアでは、各週単位の条例に定められているため州政府の政策に大きく影響を受けること。調査を行ったニューサウスウェールズ州においては、高齢者虐待にかかわるスタッフのためのプロトコルの作成、スタッフの研修体制の確立、研修受講によるキャリアアップ認知等がわが国との違いである アメリカ合衆国の取り組みは州政府単位で、ニュージャージー州では、高齢者虐待担当スタッフのライセンス制を徹底し、担当者の質保証がなされていた。担当者は、Social Workerや法律の専門家等が規程の研修を受け、ライセンスを得ていた。特にClinical Social Workerと呼ばれる人たちは医療的課題を持つ対象者への支援者として、他のSocial Workerの上位に位置づいている。諸外国の諸状況から、高齢者虐待に関係するすべての人々が対応できる介入プロトコルの作成、担当者への研修体制の確立、指導者のための研修マニュアルの作成と担当者へのOJTを含む研修実施等のわが国における課題が明らかになった。 これらの調査結果は、本研究の介入プログラム開発に有益な資料になると推測される。
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