2009 Fiscal Year Annual Research Report
在宅認知症高齢者の介護家族に対する家族類型別高齢者虐待早期介入プログラム開発
Project/Area Number |
19592589
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
堀井 とよみ The University of Shiga Prefecture, 人間看護学部, 教授 (10405235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 厚子 滋賀県立大学, 人間看護学部, 准教授 (10324568)
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Keywords | 介入教育プログラム / 介入原則 / 介入力量 |
Research Abstract |
平成21年度は、在宅認知症高齢者の介護者で人格障害の疑われる介護者(以下軽度人格障害介護者と表現)への早期介入のための教育プログラムの有効性の検証と早期介入プログラムの開発を行った。 A市の地域包括支援センターに勤務する保健師で、平成20年度の教育プログラムを受講したA・B・C(保健師経験10年~12年)と教育プログラムを受講していないD・E(同11年~15年)の5人を選び、3回の訪問が終了した時点で、高齢者虐待状況の変化を分析した。なお、訪問は、介護者に人格障害が疑われると判断された事例5例とした。比較分析の結果、A.C保健師の場合は、高齢者への虐待が日常的に行われることが少なくなり、虐待の改善がみられた。B保健師の場合は、介護者との信頼関係が形成され4回目以後の訪問で、高齢者虐待の改善につながるのではいかと期待できる状況であった。D保健師は4回目以後の訪問を拒否され、E保健師は、センターで毎回1時間以上、介護者の悩み事を聞いていた。以上の結果から、早期介入のための教育プログラムは有効であると判断した。成功事例3例の分析から、軽度人格障害介護者への早期介入時の原則として護者(虐待者)への介入担当と高齢者(被虐待者)の担当を別にし、必ず2人体制の介入を行うこと。(2) 介入担当者間の情報交換と担当者の役割を共有すること。(3) 介護者(虐待者)の介入担当者は介護者と適度の距離を保つこと。(4) 力量が備わるまでは事例単位で指導者の指導を受けることの4点があげられる。この原則を踏まえて、介入するには担当者の力量が重要である。本研究でらかになった介入担当者に必要な力量は(1) 軽度人格障害であると判断できるアセスメント力(2) 家庭訪問力量(3) コミュニケーション力である。高齢者虐待の解決には、これらの力量を備えて、前述の原則に従って介入することが重要である。
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