2007 Fiscal Year Annual Research Report
日中における児童生徒のストレス対処能力とその育成資源の解明
Project/Area Number |
19592595
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
坂野 純子 Okayama Prefectural University, 保健福祉学部, 准教授 (70321677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 一枝 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (70347607)
吉永 茂美 愛媛県立医療技術大学, 医療科学学部, 教授 (30305776)
山崎 喜比古 東京大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10174666)
石橋 朝紀子 福岡県立大学, 看護学部, 教授 (80305838)
小林 美智子 県立長崎シーボルト大学, 看護栄養学部, 教授 (80316174)
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Keywords | sense of coherense / 思春期 / 家庭環境 / 国際比較 / 構造方程式モデル / 尺度開発 / 中国 / 小学生 |
Research Abstract |
【目的】近年、中国においても自殺などの子どもの心の健康問題への対応が重要な課題である。本研究は、思春期前期にある小学校5、6年生のストレス対処能力指標であるSOCが、どのような生育環境要因と関連があるのかについて、明らかにすることを目的としている。初年度の19年度は、日本と中国で交差妥当性のあるSOC尺度を開発することを目的とする。 【対象と方法】日中の小学生(5、6年)とその保護者を調査対象とした。日本では19小学校に在籍する1648組の親子カップルに調査票を配布し、1324組の回答を得た(回収率80.4%)。中国では平成19年11月にSOCスケール中国語版の開発のための予備調査を行った。本調査は平成20年4月に実施予定である。 【分析方法】(1)SOCスケールの信頼性は内的整合性をクロンバックのα係数により検討する。(2)SOCスケールの構成概念妥当性は構造方程式モデングにより因子妥当性を検討する。 【結果】(1)中国語版SOC尺度開発:予備調査の結果、子ども用尺度においてIT相関が低かった項目が2項目みられた。この項目について、学識経験者および学生によるワーディングの検討とバックトランスレーション作業を行って改訂した。成人用のSOCスケール中国語版はα係数が0.76であることから概ね統計的な許容水準を満たしていることが確認された。(2)日本における子ども用SOCスケールの構成概念妥当性について、開発者であるアントノフスキーのオリジナルモデル(3因子2次因子モデル)への適合度を検討した結果、統計的な許容水準を十分満たす結果であった。 【今後の課題】中国における本調査の後、(1)児童のSOCと精神健康度が学年、性別、学校別に一元配置分散分析により検討する。(2)SOCと精神健康度に関連する要因を重回帰モデルと構造方程式モデルにより検討する。
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