2008 Fiscal Year Annual Research Report
徘徊する認知症高齢者の生活行動と消費エネルギーに関する研究
Project/Area Number |
19592596
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
堤 雅恵 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (80280212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏生 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (20251069)
留畑 寿美江 山口大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40360995)
松井 志保 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00403668)
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Keywords | 認知症 / 徘徊 / 生活行動 / 消費エネルギー / タイムスタディ |
Research Abstract |
平成20年度は、(1)認知症事例の生活行動の分析、(2)施設入所高齢者の栄養指標の分析、(3)生活習慣記録機を用いた運動強度および消費エネルギーの測定調査を行った。 はじめに、認知症事例の生活行動の分析では、1分単位の生活行動を観察・記録するタイムスタディを2日間実施することにより、俳徊が認められる認知症高齢者の行動に一定のパターンが存在する可能性があることを見いだした。この結果は、日本老年看護学会第13回学術集会において発表した。 次に、認知機能の低下した施設入所高齢者58名における栄養指標の実態について分析した結果、対象者の42.6%に低アルブミン血症が認められ、また、その関連要因としてADLの低下および抑うつがある可能性があることを見いだした。この結果は、第67回日本公衆衛生学会総会にて発表した。 最後に、スズケン社製生活習慣記録機ライフコーダEX4秒版を用いて要介護高齢者29名の運動強度および消費エネルギー量測定を行い、認知機能が低下し食事を全量摂取していた23名のデータを解析した。その結果、消費エネルギーが摂取エネルギーを上回っていた者は2名のみであった。また、抑うつの指標Cornell Scale for Depression in Dementiaは0〜5で抑うつ状態は認められなかった。この結果から、栄養アセスメントに基づく食事を全量摂取し抑うつがない状態を維持することで、低アルブミン血症が起こりにくくなる可能性を見いだした。この調査では、同時に踵骨の音響学的骨評価値の測定を行い、その結果、評価値と運動強度に正の相関を認めたことから、低強度の運動であっても、骨リモデリングやカルシウム代謝に影響する可能性があるという示唆を得た。これらの結果は、第35回日本看護研究学会学術集会において発表する予定である。
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Research Products
(2 results)