2008 Fiscal Year Annual Research Report
簡易問診票による「うつ」症状のスクリーニングの有効性に関する産業看護学的研究
Project/Area Number |
19592599
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
影山 隆之 Oita University of Nursing and Health Sciences, 看護学部, 教授 (90204346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏生 広島大学, 医学部, 教授 (20251069)
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Keywords | うつ症状 / 問診表 / 職場健診 / スクリーニング / 産業看護 / 職業性ストレス / 希死念慮 |
Research Abstract |
ある工場の従業員1795人に定期健康診断の際に、DSS(the Depression and Suicide Screen)を含む「心の健康度自己評価表」を配布回収し、項目ごとに「陽性率」を求めるととともに、DSS5項目についてそれぞれが陽性であれば各1点として合計しDSS得点を求めた。DSSの尺度としての内的一貫性は確認されたが、「うつ」受診者の一次スクリーニングの基準とされる「DSS得点2点以上または希死念慮2項目中1つ以上該当」を当てはめると「うつ」陽性群は受診者の約半数にも達した。 別の職場2カ所の全従業員549人に定期健康診断の際に、同じ「心の健康度自己評価表」と職業性ストレス簡易調査票を配布回収した。同様の基準で陽性群は58.8%であった。陽性群に1カ月以内に個別面談を行い、構造化面接CIDI-SFにより抑うつ症状・希死念慮等を評価しつつ、精神科的医療の要否を検討した。二次面接を行い得た171人(31.1%)のうち25人(4.6%)が「精神科医療などの支援を要す」(要医療群)と判断された。要医療群とそれ以外すなわち偽陽性群を比較すると、性・年齢には差がなかった。職業性ストレス簡易調査票の成績を二次面接不要群、偽陽性群、要医療群で比較すると、精神的健康レベルは二次面接不要群>偽陽性群>要医療群であった。 以上から、住民基本健診での先行報告に比べると職域集団ではDSS得点が高めになる結果、偽陽性率がかなり高くなることが確かめられ、スクリーニング効率としては課題が残った。職業性ストレス簡易調査票をすでに用いている職場では、DSSまたは心の健康度自己評価表を新たに導入する意義は低いと考えられた。
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Research Products
(2 results)