2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19592607
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
坂口 千鶴 Kitasato University, 看護学部, 教授 (60248862)
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Keywords | 認知障害 / 高齢者ケア / 看護師 / 意思決定 |
Research Abstract |
【対象】250床の総合病院で認知障害をケアした経験を持つ看護師20名に対して、平成19年3月初旬から4月末までに1人1回30分から1時間の面接を行い、現在9名のテープ起こしと分析を終了した。 【結果】9名の看護師が認知障害のある高齢者をケアする上で最も判断に困難を感じた場面は、夜勤帯での不穏な高齢者への対応であった。看護師は、入院直後や手術後に生じる患者の不穏に対して治療への障害、転倒・転落、離棟・離院の危険性を感じ、一方では手術や入院によって高齢者が不安感、不快感、帰宅願望を感じ、それらが不穏の原因となっていることも認識していた。看護師には?高齡者の生命への責任と意思の尊重との葛藤?が常に存在し、この葛藤を解決するために、頻繁に訪室して話を聞く、車椅子の高齡者とともに業務を行う、ステーションで見守る等<安全と安心を提供する対応>を行っていた。しかし、夜間の少ない人数の中で緊急入院や手術といった多業務量の増加にともない、高齡者の<安全を維持できない状況>を認識し、看護師だけで高齢者を看ることに限界を感じ始めると、高齢者の<生命への高い危険度>も同時に感じていた。この時点で、安全確保のための抑制、あるいは家族の協力を依頼することを考え<家族の協力への意思曽認>を行ろていた。すでに抑制許可を得ている場合には、ベッド柵、手の抑制、体幹抑制、薬物抑制の順で<抑制による安全確保>を実施し、抑制の許可を得ていない、あるいは抑制を拒否する家族については、夜間連絡をして来院を依頼した。看護師は抑制実施後も葛藤を抱えたまま、<安全維持への負担感>を夜勤終了まで感じていた。これらの結果は、抑制の実施に至らなければならない看護師の意思決定のプロセスを描き、そのプロセスに影響している要因も明らかにした。
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