2007 Fiscal Year Annual Research Report
孤発性筋萎縮性側索硬化症におけるRNA編集新規基質の探索とバイオマーカーの開発
Project/Area Number |
19599003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Special Purposes
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
詫間 浩 University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (00326258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉岡 晃 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (50192183)
郭 伸 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (40160981)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / RNA編集(エディティング) / ADAR2 / 新規基質 |
Research Abstract |
孤発性筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因として運動ニューロンでグルタミン酸受容体(GluR-Bサブユニット)の編集異常が考えられており、このRNA編集はADAR(adenosine deaminase acting on RNA)という酵素で触媒される。ALSにおけるGluR-BのRNA編集異常は、ADAR2の活性低下によると推定されるが、運動ニューロンの細胞死を引き起こすメカニズムは不明のままである。一つの可能性としてGluR-B編集異常により起こる神経細胞内へのカルシウム流入の増加が細胞死に関係している可能性があったが、研究代表者によるGluR-B遺伝子改変マウスの検討により、脊髄運動ニューロン特異的にGluR-B編集が低下・欠失しカルシウム流入が増加したモデルマウスにおいても運動機能異常は起こらず、細胞死も認められなかった。この結果からADAR2はグルタミン酸受容体編集以外の未知の基質を介して運動ニューロン死を引き起こしているものと考えられる。 このADAR2の新規基質を同定するために免疫沈降法を用い、脳組織よりADAR2蛋白質が特異的に結合するRNAを回収することが本研究の第一の目標である。そのため、まずマウス・ラット脳を用い抽出、免疫沈降法についての条件を検討した。文献的に知られている、核分画抽出法3種および免疫沈降法2種を比較検討し、最適な方法を確立した。次年度においては本法を用い、ヒト脳よりADAR2結合RNAを抽出しマイクロアレイにより同定する。さらに得られた候補遺伝子のヒト組織内での分布を組織学的に検索し、培養細胞における神経細胞死への関与をsiRNAを用いて検証する。
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Research Products
(1 results)